株価暴落後の香港から



アジア連帯講座のみなさんこんにちは。香港の株価市場はだいたい底を打ったようで、すでに連鎖反応が起きはじめているところです。日本のヤオハン百貨店は閉鎖され、2000人近くの労働者が失業しました。不動産市場は一割以上下落し、すでに多くの中小不動産代理店が閉鎖しています。香港市民の購買力の脆弱さから、小売業、不動産、飲食業、娯楽業が最も大きな影響を受けるでしょう。香港経済における製造業の占める割合は非常少なく、香港の経済的発展の多くは不動産・株式市場に頼ってきました。現在そのどちらとも振るわず、来年の経済動向は後退するでしょう。しかも銀行は不動産への貸し付けに非常に大きく依存していました(40%を占める。外国では10−20%が一般)。もし不動産市場に大きな後退が見られることになれば、その影響はさらに大きくなるでしょう。香港市民は現在非常に気弱になっています。ちょっとしたことでも慌てふためいています。あなたがたも知っているでしょうが、先週にはケーキの取り付け騒ぎも起りました!
資本家たちはすでに今年の経済状況はよくないので、賃金のベースアップは最大6%にとどめるとしています(インフレに追いつかない)。現在の市場がこのようなので、多くの業界ではベースアップどころか、ベースダウンさえ行われています。縫製労働者の私の知り合いの工場では、これまでの月給制から出来高制に変わってしまうそうです。
香港のこのような状況は大陸に影響を及ぼします。直接的な影響があるのは、香港で上場した国有企業でしょう。近頃のH株(香港で上場した国有企業の株:訳注)の下落は非常に深刻です。新たに資金繰りのために参入しようとすることも困難です。しかし今のところそれ以上の深刻な状況はあらわれていません。大陸(特に南方)に最近建築された豪華な別荘はすべて香港人を対象としたものなので、おそらく大陸の不動産市場に与える影響は比較的大きいでしょう。それでは、また。
97年12月7日





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