成田空港問題と三里塚農民の闘いについて考える
10.3  三里塚は、いま 



 十月三日、東京・文京区民センターでアジア連帯講座の主催による「公開講座
三里塚は、いま ―― 成田空港問題と三里塚農民の闘いについて考える」が開かれた。
 政府運輸省は、この間、三里塚農民に対する土地強奪・追い出し攻撃を強めてきたが進展せず、先の五月に平行滑走路の二〇〇〇年度完成を断念することを明らかにした。しかしこんどは、二〇〇六年六月を完成目標とする「暫定滑走路案」という新たな農民たたきだし計画を打ち出した。
 この「暫定案」は、従来の二千五百メートルの滑走路予定地から約八百メートル北側にずらし、滑走路の長さを二千二百メートルに計画変更するというものだ。政府運輸省は、東峰・天神峰地区農民をターゲットに、空港ができたら生活できないから早く出ていけと脅迫行為を強化している。
 このような露骨な農民追い出し攻撃に対して、九月二十五日に「暫定滑走路に反対し東峰をにぎやかにする集い」が行われ、石井紀子さんをはじめ三里塚農民の闘う決意と訴えが力強く行われた。アジア連帯講座は、三里塚農民の訴えに応え、ともに闘っていくためにこの公開講座を開催した。
 講座は、三里塚訪問プロジェクトの仲間による「九九・八の三里塚」と題するビデオレポートの報告から始まった。ビデオは、東峰部落から木の根部落、空港周辺、さらに騒音直下の朝倉部落を写し出していく。さらに、ジェット機が離陸・着陸する時の騒音はもちろんのこと、振動や排気ガスをまきちらすシーンをクローズアップしながら空港公害の実態をつきつける。
 プロジェクトの仲間は、三里塚マップを使いながら訪問プロジェクトのコースや、平行滑走路と暫定計画案のずさんさと攻撃内容について批判した。さらにビデオ報告は、九・二五東峰の集いや熱田家、石井家訪問を写しだし、三里塚農民との交流を深め、ともに闘っていこうと訴えた。
 続いて三里塚の土地収用を許さない首都圏行動の田代千代司さんが「三里塚はいま」をテーマに@九〇年代の反対運動について A「暫定滑走路案」批判と反撃の闘い B芝山鉄道問題と一坪共有地 C十・一六東京集会の結集などについて提起した。
 田代さんは、十月一日に「暫定滑走路白紙を求める共同声明運動」が、六百二十名の賛同者、二十の団体、二十九の海外賛同者の名簿を持って運輸省申し入れ行動を行ったことを報告。運輸省が三里塚農民の強い反対と多くの抗議があるにもかかわらず、「話し合い」を進めると言いながら「暫定滑走路案」の計画は、変更なく進めていくと開き直り発言を繰り返したことを批判した。
 討論では、暫定滑走路工事着工反対運動や石井紀子さんをはじめ三里塚農民との連帯強化について、さらに現地調査などの企画提案などが行われ全体で確認した。(Y)




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