10・30 アジア連帯講座 
憲法改悪の流れに抗して

講師 高田 健さん
(許すな!憲法改悪・市民連絡会)

日時 10月30日(土)午後6時30分から
場所 文京区民センター3C(都営三田線春日駅下車)


   

 憲法改悪に向けた動きが加速しています。小泉政権は、米国などのイラク軍事占領に積極的に参戦し続ける中、戦争ができる国家作りの一環として、来年一月の通常国会に「憲法改正国民投票法案」を提出をめざし、法案提出権を持つ常設機関としての「憲法委員会」の設置をねらっています。すでに衆参憲法調査会は、二〇〇〇年に発足してから設置予定期間の五年目になるため、中山衆院憲法調査会長が、来年五月三日の憲法記念日までに憲法調査会最終報告書をまとめようとしています。五年に及ぶ憲法論議は、いずれにしても憲法改悪に向けた促進剤としての役割を担い、憲法改悪へのゴールをもぎとろうとしているのです。

 このような動きと連動して、自民党憲法改正プロジェクトチームは、来年十一月に発表予定の自民党憲法改正草案の土台となる「わが党が志向するあるべき新憲法の全体像を示す」と題する論点整理案を明らかにしました(六月十日)。論点整理案は、@国民主権・平和主義・基本的人権という現行憲法の三原則を「国益」や「公益」を優先することによって制限するA「国民主権」の上に天皇を置き、国家元首にし、天皇家の神事を「国家行事」とするB法案審議の迅速化と称して反動法案の成立を次々と可能とする国会の徹底的な形骸化C集団的自衛権の行使を軸とした戦争国家体制作りのための諸措置などを柱にしています。つまり、天皇制を軸にした強権的国家体制構築に向けて現行憲法の原則を全て破壊しつくす内容となっているのです。論点整理案の反動的内容を批判し、自民党の野望を打ち砕いていこう。

 他方、民主党の岡田代表は、「成熟した民主主義国家だからこそ、必要に応じて憲法改正することは当然」と主張しています。六月に民主党は、「憲法提言中間報告」を発表しましたが、弱肉強食を強化し、社会分裂を促進していく新自由主義政策の観点から憲法改悪案を打ち出し、二〇〇六年までに憲法改悪案をまとめると発表しています。とりわけ憲法九条改悪に関しては、国連重視の集団的安全保障論を押し出し、海外での武力行使を可能にすることをねらっているのです。

 いずれにしても政府与党、民主党は、憲法改悪で一致しており、すでに先行して憲法調査推進議員連盟(自民、公明、民主の有志議員によって構成)が憲法改悪のための国民投票法案を準備しています。

 このような憲法改悪に向けた動きが強まる中で、憲法改悪反対運動で奮闘している「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の高田健さんをお招きし、憲法改悪をめぐる情勢評価と今後の取り組みの方向性を提起していただきます。高田さんは、「小泉首相の改憲暴論をうち破る闘いへ」(「技術と人間」〇四年七月号)で、「国会での改憲発議をめぐる闘いを経て、最終的には国民投票の実施に至る、現憲法下での名実共に最大の政治的な闘いが迫っている」と提起し、当面する集中した攻防環として国民投票法案を葬り去ろうと訴えています。そして、憲法九条改悪に反対する広範な人々によって発足した「九条の会」を改憲攻撃に反撃していく足場として拡大、強化していこうと呼びかけています。ぜひご参加を。