2.10(土)


「戦争のできる国家」づくりを後押しする
『つくる会』教科書を教育現場に持ち込ませない!
 2月10日、アジア連帯講座は、東京・文京区民センターで子どもと教科書ネット21の俵義文さんを講師に「危ない教科書が神の國をつくる?! 徹底批判新しい歴史教科書をつくる会」と題する公開講座を行った。
 現在、自民党・右派言論界・草の根右翼運動による教科書攻撃は各地で活発化している。「つくる会」の側は教科書を教育現場に持ち込むために地方議会への各種の陳情、「学校票」制度への攻撃、右翼を使った数々の嫌がらせ等なりふり構わぬ攻撃を仕掛けている。
 これらの攻撃をはねのけ、教科書を守り抜こう。反天皇・反ヒノキミの行動を支持し「戦争のできる国づくり」を阻止しよう。(月)


 俵さんの講演から

自民党若手議員に引き継がれた『大東亜戦争史観』
 1950年代半ば以降の度重なる教育への反動攻勢を受けながらも着実に「南京虐殺」・「731部隊」・「従軍慰安婦」と言った歴史事実が教科書に記載されるようになった。では、1990年代半ばから活発化したいわゆる「自由主義史観派」による反動攻勢はどこに始まるのか。それは、1993年に自民党内に結成された「歴史検討委員会」に始まる。ここで討議され『大東亜戦争の総括』として公表されたその目的とは、「大東亜戦争」が自衛と植民地解放のための戦争だということ、南京虐殺や従軍慰安婦がでっちあげでありこれらの記述を現在の教科書から削除させること、そして「こうした歴史を国民の常識にする事」にあった。その為に自民党は東京大学教授である藤岡信勝氏を皮切りに、右派系学者を後押しする事で「運動」が始められた。また、こうした動きを通じて戦前世代の自民党員の歴史認識が若手議員に引き継がれた。

『つくる会』の背後に見え隠れする日本政府
 現在、「あたらしい歴史教科書をつくる会」の会員は1万名以上といわれており、その中で教師の会員は1割程度であるが、大坂では「つくる会」系の第二組合が立ち上げられようとしている。「つくる会」の運動は先年出版された『国民の歴史』を無差別にばらまき歴史認識を変えてゆく「歴史学習運動」から始まり現在地方自治体の教育委員や国会議員を通じて「つくる会」教科書を採択させる運動が進められている。そうした動きの中で2000年度中学歴史教科書での日本のアジア侵略に関する記述が執筆段階から「天の声」によって規制され、20年前に逆戻りしたかのように記述されなくなってしまった。こうした事態が起こったのも実は政府によるものである。

一冊たりとも現場に持ち込ませない
 こうした「改悪」を許してはいけない。シンガポールでは日本による占領・支配をこれまで中学2年生の段階で教えていたのだが、1990年代半ばの日本の動きに危惧をもち去年の9月から小学4年生の段階で教えるようにしている。また、インドネシアでも小学校から「従軍慰安婦」について教えている。このようにアジアの国々ではどこでも日本の侵略戦争の事実についてかなり詳しく教えている。21世紀は戦争を無くして共生していく世紀であると思うだからこそ日本でも子どもたちに事実について教科書に書いて共通の歴史認識をつくって行く努力が必要である。その為にも一冊たりとも「つくる会」教科書を現場に持ち込ませてはいけない「絶対の学校で使ってはならない」という世論をつくっていかねばならない。




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