東京レズビアンゲイパレード2000に行ってきました



 友人から呼びかけられていた「東京レズビアン・ゲイパレード2000」に参加した。友人はゲイのイラン人のシェイダさんの難民認定を支援する会「チームS」でパレードに参加していた。昼過ぎに会場の代々木公園イベント会場に到着すると、壇上ではセーフティーセックスやHIVについての講演が行なわれており、それを取り囲むように、参加団体のブースが見える。あっちこっちで、ドラッグクイーンやプライドファッションに身を包んだ人たちがいる。「なんて開放的な空間なんだ」というのが最初の印象。照りつける日差しの中で、それぞれが自分たちのありのままの姿で笑い、闊歩している。
 友人たちのブースを見つけた。大きなパラソルに「イラン人ゲイのシェイダさんに難民認定を!」と書かれたのぼりが目立つ。何人かの仲間たちがコンドームにガスを入れて風船をつくっている。早速僕も手伝う。その間にも、シェイダさんに難民認定を求める署名にたくさんの人が協力をしていく。インターネットなどを通じてこの事件を知っている人たちが次々にブースの前に集まる。やっぱり他人事ではないのだ。そうこうしている内に、また何人かの仲間がやってきた。
 いよいよパレード出発の時間になった。隊列がいくつかに分けられ、「5列に並ばないと出発できません」というスタッフの呼びかけ。1000人を超す参加者全員を5列に整えるだけで時間がかかる。また信号待ち、隊列の分断という警察の「横暴」にも我慢した結果、すっかり出発の時間をオーバーした。炎天下、ただ待つだけというのは結構体力を使う。
 かなり待って出発したのはいいが、シュプレヒルコールも音楽もない。チームSのOさんは自前のトラメガを持ってきたのだが、なんと電池切れでただのアクセサリーと化していた。
 それでも街頭の反応は想像以上によかった。愛に年齢は関係はないのだが、やっぱりパレード参加者は若い人が目立った事もあって、街頭との年齢差もさほど感じられない。通りすがりの車がクラクションを鳴らしてパレードにピースサインを送って来たり、拍手をする外国人男性や、手を振ってくれる女性など、素晴らしいデモンストレーションができた。もちろん僕らも歓声でそれに応えた。
 そうこうしているうちに、Oさんは通り道の電気屋で電池をゲット。さっそく思いのたけを街頭に訴える。チームSは「シェイダさんは強制送還されると生命に危険があります。ぜひ難民認定をかちとるためにご協力下さい」と。Oさんが隊列のあちらこちらで参加者にマイクを向ける。最初は遠慮していたほかの参加者も、「わたしはレズビアンでーす。ただ女性が好きなだけです」など、思いのたけを叫んでいた。お互いに好き同士であれば性別なんか関係ない、差別されるのはおかしい。
 同性愛者やトランスジェンダーなどセクシャルマイノリティが開放感のなかで自分をアピールしていく姿を目にしたり、しばらく音信が途絶えていた友人にばったり遭遇したり、僕にとっては実り多いパレードだった。ほとんどなんの支援活動もしていない僕だけど、これからもシェイダさんの難民認定でできる限りの支援をしていこうと思った。 (花咲 満開)

法務省はシェイダさんの難民認定を認めろ!
女同士の結婚を認めろ!男同士の結婚を認めろ!





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