アジア連帯講座 2000年沖縄連帯・反サミット連続講座

WTOシアトル会議と沖縄サミット
喜多幡 佳秀さん アジア太平洋労働者連帯会議(APWSL)日本委員会


日 時  4月15日(土)18:00〜  
場 所  文京区民センター 3C 
      地下鉄三田線・春日駅A2出口
        地下鉄丸の内線後楽園駅から徒歩5分
        JR水道橋駅から徒歩10分

会場費  300円



「闘えば勝てる」
昨年11-12月のシアトルにおけるWTO反対の闘いは、新自由主義的グローバライゼーションに対する闘争の新しい時代の始まりを告げました。
米国・EU・日本の「3極」の間の利害対立、南北の間の矛盾が拡大する中で、WTOを通じた新しい国際的経済秩序のための試みが一時的な挫折を余儀なくされました。
農業破壊への怒り、森林破壊と先住民の生活の破壊への抵抗、食品の安全への不安、多国籍企業の横暴に対する告発、労働者の基本的人権と団結権を目指す闘いが全世界的に結びつき、「闘えば勝てる」という重要な経験を手にしました。

拡大する新自由主義への批判と対案
90年代にはグローバライゼーション(経済関係の世界規模化)、市場開放と国際競争、リストラがあたかも時代の趨勢であり、それに抵抗することが不可能であるかのように言われつづけてきました。しかし、今やそれを推進してきた人々の間でさえ、市場の論理の行き過ぎや、WTOの手続きの正当性への疑問が語られるようになっています。新自由主義の模範生として注目されていたニュージーランドでは、行政改革の重要な一環であった「雇用契約法」(労働組合の活動を大幅に制限)が新政権の下で見直し、改定が進められています。IMF・世界銀行は第三世界諸国に対して新規借款の条件として要求してきた構造調整政策の修正を開始しています。OECDでは、多国籍企業の行動を規制する「行動基準」をより実効的にするための作業が進められています。これらはもちろん、部分的な変化に過ぎません。しかし、国際機関や各国政府が野放図な市場の論理に対する全世界での批判と抵抗をもはや無視できなくなっていることを明らかにしています。
新自由主義的グローバライゼーションに対する具体的な対案として、第三世界の債務の帳消しを要求する運動、投機的資本移動に対する課税(トービン税)の導入を要求する運動などの国際的なネットワークが広がり、大きな反響を呼んでいます。韓国ではWTO反対とともに、日韓投資協定の交渉に反対する運動が労働組合・農民団体・市民団体によって展開されています。

シアトルの闘いから反サミット・反ヘリ基地へ
シアトルの闘いは、労働組合運動とNGO・市民運動の共闘という点でも画期的な経験でした。しかし、このような共闘をさらに発展させる上では、運動の目標についてのより明確な立場と論議が求められています。シアトルにおける動員の中心だった米国の労働組合の多数は、クリントンのWTOに対する政策を基本的に支持してきました。彼らが要求する「社会条項」(基本的な労働者の権利の擁護を通商協定とリンクさせる)は、第三世界の労働組合やNGOからも批判されています。
7月沖縄サミットに向けて、私たちはこのような状況についての認識を深め、論議を作り出していくことが重要です。私たちは、それを通じてシアトルに続く闘いを準備し、また、全世界に沖縄の基地問題を訴え、名護ヘリポート基地建設反対の闘いへの支援を拡大していく重要な契機とすることを目指します。

参考文献
「WTOが世界を変える? 身近な矛盾からグローバル化が見える」
 編集/発行 市民フォーラム2001
 発売     現代企画室
 定価     700円+税




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