『世界に広がる地域通貨』
〜行き詰まりつつある現状の打開策〜


☆地域通貨って何?
 地域通貨とは、限定された地域でしか使えない通貨であり、法律で定められた国家通貨である円やドル、ユーロ等に対する言葉です。他にも補完通貨とか自主通貨、自由通貨、会員制通貨、コミュニティ通貨、グリーンドル、エコマネー、オリジナルマネーなどと呼ばれています。

☆地域通貨の特徴
 限定した地域でしか通用しない通貨を用い、地域内でお金を循環させることによって、経済の安定化・活性化をはかるとともに、グローバル化する経済によって崩壊しつつあるコミュニティを再構築するという狙いがあります。地域通貨のもう一つの特徴は利子のつかないお金だということです。意外と知られていないことですが、利子は破壊的な性質を秘めています。また、国民通貨は競争を助長させるように設計されており、地域において助け合う関係には相応しくありません。ですから、お金本来の働き=物と物、物とサービスの交換手段である決済機能しか持たせていないのです。

☆広がる地域通貨
 地域通貨はここ10年で2500ものコミュニティで試みられています。では、なぜグローバル化する経済の中で、地域通貨が急激に普及しているのでしょうか?いったい今のお金の何が問題なのでしょうか?

☆お金は誰のもの?
 今、紙幣を発行しているのは中央銀行であり、日本では日本銀行です。でも、日本銀行が直接国民をお金を配っているわけではありません。日本銀行は銀行の銀行として、まず市中銀行にお金を貸し出します。そのお金を市中銀行が「お金を必要としている企業」に貸し出します。その企業から普通のサラリーマンは給料としてお金を受け取ります。これ、当然のように思われていますけど、ちょっと考えてみて下さい。便宜上、私たちの手にしているお金は「その所有者のもの」となっていますが、実際はどうでしょう?いつかは必ず利子をつけて発行者に返さねばならない仕組みになっています。ということは、これは本当に私たちのお金と言えるのでしょうか?

☆イス取りゲーム
 もし、お金が充分あれば何も利子のつくお金を借りる必要はないですよね。つまり、お金は常に必要な分より若干少なく発行されているのです。必要量より発行量が少ないということは、当然、そこで競争が発生します。わかりやすく例えるなら、私たちは常に「イス取りゲーム」をやらされているのです。イス取りゲームでは必ず座れない人が出てきます。
お金を借りれば元本プラス利子を返さなければなりません。しかし実際には、現金としては元本の分しか世の中に出回っていないのです。通常の経済活動で使えるお金は元本の分だけなのですから、不足している利子の分は誰かの元本分を奪ってこなければ返済できないのです。そして、その争いに負けた者は財産を没収されてゆきます。どれだけの人間がイスに座れるかは利子率に応じて決まってゆくのです。
 
☆利子の問題点
 利子とは誰が払うものでしょう?直接的にはお金を借りた人、つまり債務者です。しかし、実際には間接的に私たち誰もが負担しているのです。事業を起こすには資本金が必要です。しかし実際には、それだけでは足りず、ほとんどの企業が金融機関からお金を借りています。お金を借りれば当然、利子がつきます。この利子の分も経費として価格に含まれています。ですから私たちが買っている商品やサービスの実に20%〜50%は利子部分なのです。こうして皆から集められたお金は、貯金額や投資額に応じて再分配され、これが経済格差の一因となっています。実際、利子により利益を得ることができるのは僅か二割の存在で、残り八割は損をするという調査データも出ています。これは現在、地球で最も豊かな20%の人たちが、地球全体の所得の82.7%を手に入れているという状態に表れているのではないでしょうか?

☆利子は環境破壊を助長する?
 自然界にあるほとんどの物質は時と共に劣化し、その価値をさげていきます。しかし、利子のあるお金は、時と共にその価値を上げ続けていきます。つまり、利子のあるお金からみれば、自然界の多くの資源は、長期的には価値のないものになってしまうのです。ですから、利子の正当化された社会(イスラム教などでは利子をとることを禁止しています。)では、利子率を上回る収益を得られる事業のみが投資に値します。このことは大規模な事業(工業的な農業や高速道路、原子力発電所など)を過大評価し過ぎることになります。そして、長期に低収益しか上げない事業(代替エネルギーやエコロジカルな農業や森林保護など)の育成を阻みます。実質利子率が高ければ高いほど、事業からあがる収益が高ければ高いほど、投資されるべき価値があるということになるのです。

☆移動する資本
 今のお金の次なる問題点としては「資本は利益を求めて移動する」ということです。昔はたいてい街の中心に商店街があり、そこで地元の人達が生活に必要なものを調達していました。しかし、大資本がやってきて大型店舗をつくると、人々は安くて品揃えの多い大型店舗で買い物をするようになります。大型店舗は大量仕入れによって物を安く仕入れることができるからです。一時期、街は活況を呈し、人々もそれにつられて集まってきます。しかし、続々と大型店舗ができてくるとその地域での売上げを伸ばせなくなり、大資本は次なる市場を求めて移動します。その地域からお金をガッポリ持ち去って…。しかし、住民はそれに伴い移動することはできません。その地域には既に人を雇うお金もありません。失業者がたくさん出て、街は一気に活力を失います。人々は不安になり、さらに出費を抑えることで経済が滞ってしまいます。こうして破壊された街がたくさん出てきています。

☆多様性を持つ地域通貨
 このような理由から地域通貨には利子がつかず、限定された地域でしか使えないという性質が与えられています。ただ、一口に地域通貨といっても実にたくさんのバリエーションがあります。基本的な形はいくつかありますけれど、地域通貨は地域の目的に応じてルール設定ができるので、ニーズに合わせた地域通貨をつくることが可能なのです。今もっとも多く存在している地域通貨システムはLETSと呼ばれるもので、経済効果よりもむしろコミュニティの再構築を目的として導入しています。

☆日本版LETS『レインボーリング』
 お金は現代社会において人と人を結ぶ際に欠かせないツールです。しかし、競争を煽るように設計されている今のお金のシステムは地域において協調関係を結ぶ際には相応しくありません。レインボーリングはグローバルな視点から日本を一地域と捉え、現代において希薄になってしまった地域内での人と人とのつながりや信頼関係を回復することを主たる目的としています。レインボーリングは会員相互の信頼に基づいて成り立ち、利用することでさらに信頼関係を深める、または新たな信頼関係を築くためのコミュニケーション・ツールなのです。興味を持たれた方は是非一度ホームページを御覧下さい。



LETS普及実行委員会 安部芳裕
rainbowring@geocities.co.jp
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/1964/



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