東京電力による原子力発電所事故隠蔽に抗議する決議

 東京電力株式会社は、長年にわたり、福島第一・第二原子力発電所と柏崎刈羽原子力発電所の自主点検記録に虚偽の記載をし、炉心隔壁やジェットポンプなど原子炉内の機器について、ひび割れや摩耗等の損傷を隠蔽していたことが判明した。問題の見つかった13基のうち8基の原発は、現在も部品に損傷があるままで運転されている可能性があるという。
 経済産業省原子力安全・保安院によると、「安全に重大な影響はない」ということであるが、損傷箇所は炉心の安全に直接関わる部分であり、損傷が進んだり、大地震等の災害が発生した場合には、炉心冷却ができなくなり、大惨事につながる可能性が指摘されている。何よりも、点検データの改ざんは、原子力発電所の安全性に対する国民の信頼を根底から覆す行為であり、その罪は重大である。
 また、一般的に企業の不正行為に対しては、消費者自らが不買という形で抗議をすることが可能であるが、電力供給事業は地域ごとにひとつの企業に独占されている関係上、三鷹市民は好むと好まざるとにかかわらず、東京電力の電気を買わざるを得ず、従って自らの行動で抗議の意を表明する手段を持たない。
 よって、本市議会は、東京電力に対し強く抗議するとともに、事件の徹底究明・関係者の責任追及と厳正な処分・再発防止の確立がなされ、国民の、とりわけ福島・新潟両県民の原子力安全政策に対する信頼が取り戻されるまでの間、全原子炉の運転を停止するよう求めるものである。

  以上、決議する。

平成14年9年26日
三鷹市議会