カナダ・ユーコン準州でのオオカミ虐殺

 1995年冬、カナダのユーコン準州政府は、今後3年間(1998年まで)森林オオカミの頭数をコントロールする決定をしている。この計画は「頭数制限」プログラムと呼ばれ、オオカミが捕まえて食べるカリブーの数を増やすことを目的とする。1993〜4年の二年間の冬にアイシヒクと呼ばれるユーコン奥地の地帯で 94頭のオオカミが殺された。96年までの4年間で合わせて159頭のオオカミが殺されている。かれらの ほとんどは、飛行機やヘリコプターから射殺された。
 ところで、ユーコン政府は、群のリーダーに去勢手術を行う事によって、オオカミの管理計画がうまくいっていると主張している。オオカミを殺害することのない管理計画が、オオカミを殺し尽くす計画よりも少しはマシだとしても、オオカミをコントロールする計画には変わりはない。実際、手術を受けてから放されたオオカミが、自分の群の仲間に殺された例も出ている。
 ユーコン準州政府は、この4年間の集中的殺戮による戦果として、アイシヒク地区に元から居たオオカミの26の群のうち、19が根絶されたといっている。このオオカミ殺しの巻き添えで、コヨーテ、オオヤマネコ、バイソンなど他の動物が殺されている。かれらは、オオカミ殺しのわなにかかったのである。
 ユーコンのオオカミ殺し計画は、たったひとつの理由のためにだけ存在している。それは、スポーツハンティングビジネス(トロフィーハンターに用具を売ったりガイドをする商売)のために、ハンティングの獲物となる有蹄類を増やすことです。ユーコンの野生生物管理官たちは、雄のムースを人工的に増やし、それによってトロフィーハンティング事業の利益を増大させるために、ただ、それだけのために、生態系にとって最も大切な捕食動物のひとつであるオオカミを根絶やしにしようと企てているのである。

 コントロールし、管理し、無くさなければならないのは、トロフィーハンティング事業のほうであって、オオカミではない。