絶滅の危機にさらされているオオカミを、狩猟許可獣としようとする動き
                          Indian  Country  Today 1997.9.1-8)

ワイオミング州カスパー発(AP)―ワイオミング州狩猟・漁業委員会は、同州においてオオカミが絶滅の危機にさらされている生物のリストから外されるまで、連邦政府にオオカミの管理をまかせるべきであるとする計画に同意した。
  
同委員会は、今週前半カスパーで会議を開き、州狩猟・漁業省により提出された 案を採択したが、同案はイエローストーン国立公園外部におけるオオカミの管理については、オオカミが絶滅の危機にさらされている生物のリストから除外されるまでは、管理の権限・義務を連邦政府から州に移すべきではないとしている。
 採択された提案はジム・ゲリンジャー知事に送付され、同知事がオオカミ管理についての州としての最終決定を下すことになる。委員会によれば、オオカミが絶滅の危機にある生物のリストから外されるまでは、オオカミ管理の費用を連邦政府に負担させるように、州として働きかけることになるという。 ワイオミング州では、オオカミは プレデター(捕食獣)と指定されているが、この指定を改めるべきであるとの提案も、これまで何度かなされてきたが、委員会はこの考え方には消極的であったようである。
 州法によれば、オオカミとコヨーテは共にプレデターとされており、そのため、彼らを何ら制限なしに殺すことが許されている。州のオオカミ管理政策についての提案を問題とする公聴会において、オオカミが今後再び狩りの対象とされるようになれば、オオカミをプレデターとする現行の指定を改め、トロフィー獣として指定しなおすべきであるとの主張が、多数の発言者によってなされた。[訳注:トロフィー獣を殺すには州による許可が必要]この意見を指示する者たちは、オオカミ狩りのためのライセンスを発行することによって、狩猟・漁業省は、オオカミ管理に要する費用を得ること
ができるだろうと主張する。しかし、委員長マイク・ハンジー氏によれば、このような政変を実現することは難しいようである。「指定獣を変えようとしても、なかなか歯が
立たないよ」と、委員長は言う。
同省は、オオカミが家畜を殺したことが判明した場合に、現場作業者が従うべきガイドラインを設定する仕事にとりかかっている.

  [訳注:現在ワイオミング州では、オオカミは絶滅の危機にさらされているとされ、連邦政府がオオカミの管理をしている。同州の法によれば、オオカミとコヨーテは、見つけ次第、無制限に殺してよいとされるが、今後オオカミの頭数が回復したり、家畜が襲われるなどすれば、オオカミを絶滅の危機にさらされている生物のリストから外して、その管理を連邦から州の手に移し、再び自由にオオカミを殺せるようにしようという動きがでてくるだろう]
    
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