「鳥獣保護法」改訂の動き

                前号でお知らせしました「鳥獣保護法」について、もう少し詳しく説明を載せます。
                             *「ALIVE」no.17「野生動物たちの悲鳴」野上ふさ子より引用
                                                                   
           【駆除制度の強化】
             ・「有害鳥獣駆除の許可権限を、現在都道府県知事に属するものは市町村長におろす」
               これは許可が降りるまでに時間がかかり、動物がよそへ行ってしまわないうちに、現れ
               たら速やかに出動して駆除ができる体制にすることを意味しています。
             ・「有害鳥獣駆除の許可に事前許可制を積極的に導入する」
               これは被害の恐れがあると予測される場合には、動物の被害がない状態でも探しだし、
               予防駆除ができるようにするということです。
             ・「有害鳥獣駆除の許可要件の大幅緩和を図る」
               これは、動物の生息調査や生態調査など時間のかかる手続き無しに、駆除してしまお
                うということになります。
             ・「関係市町村による広域駆除体制を整備、確率する」
                これは隣町に逃げた動物も、駆除できるように広域で連絡していく体制作りです。
             ・「カスミ網の使用を許可する」
               野鳥の保護団体等が何十年もかけて ようやく実現させたカスミ網廃止をまた復活させ
               ようというのは、時代に逆行しているのではないでしょうか。
 
           【スポーツ狩猟の拡大】
              改定案はさらに狩猟制度自体も規制を緩和し、もっと野生鳥獣をハンティングできるように
                提唱しています。そのために「鳥獣保護区及び休猟区の縮小」を図り、「狩猟に関する諸制
              限の緩和」として、狩猟期間の大幅延長 、狩猟税の軽減などを提案しています。

             この法案は、近年問題になっている農山村地帯での「野生動物による農作物被害」の陳情を
             受け入れる形で、昨年国会議員の中に「農林漁業有害鳥獣対策議員連盟」が結成され、現
             行の鳥獣保護法を変えようという動きの中から出てきたものです。しかし、日本の野生動物の
             半数以上が絶滅の危機にに瀕している今、このような法案を通すことは、容易には受け入れ
              られるものではありません。
              この法案の骨子は、「鳥獣法の目的を保護から管理に改める」すなわち、野生動物を人間の
             都合のいいように管理することを主張しています。でも、私たち人間が、適正に野生動物を管理
             することが本当に出来るのでしょうか?

 
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