3月28日の文部科学省への要請行動の報告
すでに新聞・テレビなどで報じられていますように、27日に文部科学省はインターナショナルスクールのみに受験資格を認めるという「方針」を「凍結」し、「朝鮮学校などアジア系の学校も含めて再検討する方針」を定めたとのことです。27日付の『毎日新聞』の報道では、「中央教育審議会に報告して了承されていた。しかし、朝鮮学校関係者や国立大学の教員などから「差別だ」と反発する声が上がり、同省にも多数の要望書が出された」と記されています。今回の声明が一定の成果を収めたことがわかります。
あらためて「声明」に賛同し、協力してくださったみなさんに深く感謝申し上げます。
28日、鵜飼哲さん(一橋大学)、瀬地山角さん(東京大学)、鶴園裕さん(金沢大学)、文世一さん(京都大学)、駒込武の5名で文部科学省を訪問し、追加の賛同者名簿を渡すと共に、「文部科学大臣への質問と要望」を提出しました。対応したのは高等教育局大学課法規係長黄地氏ほか2名でした。要望は、声明文の要求をさらに「対案」として具体化する形で作成し、呼びかけ人の名前で提出しました。このメールの最後に貼り付けておきますので、ご参照いただくとともに、ご意見などあればお寄せください。
以下は、会談の際のメモです。答えたのは黄地係長です。
○まず新聞報道の真偽について確かめたところ、一部の新聞では「白紙に戻す」「7月を目処に検討」と報じられているが、「白紙に戻す」というよりは、とりあえず公表を控えて「さらに具体的に検討を重ねる」予定であるということでした。また、新たな方針の時期は7月よりも早まるかもしれないし、遅くなるかもしれない、現段階では未定、とのことでした。
○「さらに具体的に検討を重ねる」大きな理由は、パブリック・コメントに対応するためということ。パブリック・コメントの中で「一番多かった」のは「民族学校にも認めるべきだ」というもの、総数は約1万ということでした。
(注)パブリック・コメントに関して『毎日新聞』『読売新聞』のホームペー
ジで下記のような報道がなされています。
『毎日新聞』のホームページ
『読売新聞』のホームページ
○WASCのような民間の評価機関よりも、外国政府(例えば、韓国学校については韓国政府、中華学校については台湾政府)がその国の大学入学資格を認定していることを優先させるべきではないかというこちらの見解に対しては、「そういうことも考えないことはない」という応答でした。
○専修学校高等課程の大学入学資格を外国人学校にも準用すればよいのではないかというこちらの見解に対しても、やはり「そういうことも考えないことはない」という応答でした。(この項目に関しては最後の要望書をご参照ください)。
○各大学で「学校認定条項」を利用して受験資格を認めることについて、文部科学省としてはやはり「学校認定条項」は戦後の旧制度から新制度への移行に伴う過渡的措置として設けたものであり、各大学が入学資格を定めるべきではない、と解釈しているとのことでした。
○報道では自民党の一部議員が朝鮮学校を認めることに反対して圧力をかけているということだが、そういうことが実際にあるのかという問いに関しては、「我々としてはとにかく一定の水準を定める」ということだけを考えている、とのことでした。
このほか、こちら側からの意見として「『子どもの権利条約』への違反をどのように考えるのか」「WASCのようなアメリカ合衆国にある民間の機関を『国際的』と評するのはおかしい」「『規制緩和』というならば中途半端にして不公平を残すのではなく、徹底してやるべきだ」「朝鮮学校の出身者が学力・能力において劣るという証拠はどこにもない」といったことを伝えました。
2月21日の『朝日新聞』の報道を契機として始まった今回の「声明」をめぐる呼びかけは、昨日の文部科学省の「再検討」方針の公表で一段落を告げたことになります。
しかし、今後も、外国人学校の認定方法に関する「対案」の模索、各大学での取り組みに関する情報交換、文部科学省や国大協への働きかけなどを続けていきたいと考えています。一般的に大学入試の『募集要項』は5月頃には作成されますので、特に4月段階での各大学での取り組みは大きな意味を持つことでしょう。
つきましては、今後も重要と思われる情報に関しては賛同者の方に連絡を送らせていただきたいと考えています。ただし、「声明」の呼びかけが一段落した時点で連絡は不要と考える方もいらっしゃると思います。その場合、初めにも書きましたように「連絡不要」というタイトルでanti-racism@ml-c2.infoseek.co.jpまでメールをお送りください。
どうか今後ともよろしくお願いいたします。
水野直樹・駒込武
(以下、以下、文部科学大臣あてに提出した要望書です。朝鮮学校高級部カリキュラムは2002年度の時間割に基づく試算です。専修学校高等課程の基準をクリアしていますが、他の外国人学校を含めてさらに多くの情報を集めていくことが必要だと思います。)
真の意味での「教育の国際化」を実現するために、外国人学校の法的地位についてこれまでの差別的な政策を見直して包括的な改善をはかり、教育権を保障することを求める。
具体的には次のいずれかの条件に適合する場合は、大学受験資格を認め、それ以外の学校に関しては各大学の判断に任せるべきである。なお、各大学における『募集要項』は5月には決定する必要があるために、5月までに包括的な改善策を図る見通しのない場合は、各大学の自主的判断に任せることを公表すべきである。
(1)特定の国籍の学生が多いなど特別な関わりを持つ本国がある外国人学校に関しては、本国政府が大学受験資格を認めている外国人学校には大学受験資格を認定する。
(2)専修学校高等課程の大学入学資格付与に関する条件に準拠して、専修学校高等課程と同等の条件を満たしている外国人学校には大学受験資格を認定する。
ただし、普通科目として指定されている科目の内、外国人学校における「日本語」は「国語」と読み替え、「英語」「朝鮮語」「中国語」等の母国語に関する科目は「外国語」と読み替える。
資料1:専修学校が大学入学資格付与の指定を受ける要件(「大学入学資格に係わる専修学校高等課程の指定に関する実施要綱」1985年9月19日高等教育長裁定)
(1)修業年限3年以上
(2)卒業に必要な総授業数が2590単位時間以上
・1単位時間は50分を標準として計算する
・2002年4月1日改正で2800単位時間が2590時間に変更される。
(3)普通科目(国語、社会、数学、理科又は外国語)の総授業時数が420時間以上、
但し105単位時間までは教養科目で代替することが出来る。
(4)普通科目を担当する教員の相当数が高等学校の普通免許状を所有していること
が望ましい。
資料2:朝鮮学校高級部カリキュラム
○修業年限:3年
○総授業時数(試算)
1学年 1155 単位時間
2学年 1155 単位時間
3学年 759+72(選択科目)
単位時間合計 3141 単位時間
○普通科目中「日本語」「数学」「英語」の単位時間数(試算)
日本語 文系 384 理系 320 商業系 314
数学 文系 323 理系 503 商業系 297
英語 文系 451 理系 413 商業系 358
合計 文系 1158 理系 1236 商業系 969
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