アメリカ合衆国大統領へのオープンレター

サリム・アル=ホス
2006年8月5日
ZNet原文

親愛なるブッシュ様:

私の国、レバノンに対するイスラエルの破壊的な戦争の犠牲を残念に思うとあなたが表明するのを聞きました。

私の国に加えられた残虐行為の真の全体像を知らされていることを期待します。あなたは、テロリズムに対して戦いを進めているようなポーズをとっています。率直に言わせて下さい。施しは足下から始めなくてはなりません。

イスラエルは、、最も恐ろしいテロリズムを理不尽にレバノンに加えています:罪のない民間人を好き勝手に無差別に殺すこと、それも、子どもや老人、障害のある人々にも容赦せずに。住人が中にいるのに建物を破壊すること、インフラや道路、橋、水道と電気の基幹線、港や航空施設、倉庫をすべて破壊すること。高速道路を動くものは、救急車もトラックもトレーラーも車も、そしてバイクさえ、すべて攻撃されます。これらはすべて、ジュネーブ条約と人権を侵害するものです。

家を追われた人々の数は、私の国の全人口の4分の1を超えました----これらの人々全員が、最も過酷で悲惨な状況下に置かれ、苦しんでいます。何千人もの人々が殺されたり、手足を失ったりしています。

これがテロリズムでないならば、テロリズムとは何なのでしょうか?

イスラエルによる残忍な攻撃は、ヒズボラがふたりのイスラエル軍兵士を拉致したことに対する報復だと言われています。この集団的懲罰は、ジュネーブ条約と人権を、あからさまに侵害するものです。さらに、言い訳もまったく説得力がありません。イスラエル兵士2名は、イスラエルと人質交換を行うというはっきりした目的を持って拉致されました。実際、イスラエルは、これまでに、一度ならず人質交換に同意したことがあります。人質の交換が、あるときは受け入れられることで、別のときにはタブーであり開戦の理由となるのはどうしてでしょうか? このため、レバノン人の間では、レバノンに対するすさまじい攻撃は前もって計画されていたものであり、拉致は実質のない口実にすぎないという確信が生まれています。

イスラエルは、最悪の、最も醜悪なテロリズムにふけっており、その際、あなたがイスラエルに与えた最も致命的な、最も先端的な兵器を使っているのです。

私たちレバノン人にとって、イスラエルを最も非道なテロリスト勢力と見なし、そしてあなたをその直接のパートナーと見なすことは、正当なことです。大統領殿、本当のところ、あなたは、私の国の完全破壊を宥恕し、停戦の発表を妨げる、政治的および外向的に私の国の人々に対する攻撃を支持し、最も致命的な兵器を与えてイスラエルの兵器庫を支えているという点で、テロリズムの最悪のバリエーションを実践しているテロリストなのです。

大統領殿、あなたが言うところの対テロ戦争なるもので、誰も騙されはしません。私たちの見解では、あなたとイスラエルこそが、この地球上で最も無節操なテロリストなのです。もしあなたがテロリズムと戦いたいのでしたら、あなた自身の政府とあなたのいまわしい同盟者であるイスラエルから始めてはいかがでしょうか?

あなたは、繰り返し、イスラエルは自衛の行動をしているのだと主張してきました。なんと馬鹿げたことでしょう! ほかの人々が暮らす土地で「自衛」するというのは、あからさまな侵略と同じです。

あなたはヒズボラをテロリスト組織と呼びました。私たちはそれを、正当なレジスタンス運動と呼びます。レバノンの領土の一部がイスラエルに占領されていなかったら、イスラエルの監獄で苦しむレバノン人捕虜がいなかったら、レバノンが毎日のようにその領空と領海をイスラエルに侵されていなかったら、そして散発的なレバノンの地への侵入と民間人施設への爆撃がなかったら、ヒズボラの軍事部門も存在しなかったことでしょう。

一国すべてを粉砕することによって一つの政党をなくすことなどできません。イスラエルが占領している土地から撤退し、レバノン人捕虜を釈放し、レバノンに対するさらなる侵略行為を取りやめることで、それは達成されるでしょう。

イスラエルは最も恐ろしいテロリスト勢力です。そして、大統領殿、あなたは、疑いようもないイスラエルの直接のパートナーで、したがって、あなたも確かにテロリストなのです。

2006年8月1日

サリム・アル=ホスは1976年から1980年、1987年から1990年、1998年から2000年までレバノンの首相を務めた。


■レバノン市民を救うための請願書

nofrillsさんのブログに、日本語の説明と署名のしかたが書いてあります。

もう一つ、即時・無条件の停戦のための国際アピールというのがあります。こちらも、署名を集めています。基本は、(1) レバノンとパレスチナ被占領地での即時・無条件の停戦、(2) レバノンへの完全な主権と、パレスチナの民族的権利の実現、(3) レバノンへのNATO軍派遣反対、です。

■劣化ウラン弾等



また、8月6日放送予定の「NHKスペシャル」は、調査報告・劣化ウラン弾 〜軍関係者の告発〜です。

■教育基本法改悪について

大内裕和さん・高橋哲哉さんを囲んであらためて教育基本法問題を問い直す、「教育基本法・対話交流集会」があります。

日 時:8月19日(土) 
    13時半〜16時半
会 場:文京区民センター 3A
   (東京メトロ「春日」駅より3分) 
内 容:大内さん+高橋さんの新著をもとに
    学習会と参加者交流会
参加費:無料
問合せ:教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
    TEL&FAX03-3812-5510
    メールinfo@kyokiren.net

9月下旬からはじまる臨時国会では、教育基本法「改正」法案が審議されます。

この問題をめぐって全国各地を飛び回ってきた大内さん・高橋さんの共著、『教育基本法「改正」を問う』(白澤社)をもとに、参加者のみなさんと意見交換をしながら、これからの社会について考え、一緒に動きだしたい、と私たちは考えいます。

さまざまな形で運動をすすめてこられたみなさん、集会などに参加されたことのないみなさん、教育基本法問題に関心のあるすべてのみなさんのご参加を、お待ちします。

*どなたでも参加できます

なお、教育基本法改正特別委員会質疑応答と弥次というブログもぜひご覧下さい。

■米軍兵士をインドで募集・・・市民権を餌に

いよいよアメリカ合衆国内部で米軍兵士になりたい人が払底したのか、『東亜日報』紙に、米国国防総省が非市民権者を相手に兵士募集を拡大する方案を推進しているとの情報がありました。最も早い開設が予定されている兵士募集事務所は、インドのデリーだとのこと。
益岡賢 2006年8月6日 

パレスチナ/イスラエル] [トップ・ページ