瓦礫の中を歩いて

イスラエルはアメリカ合衆国製クラスター爆弾を使った
フランクリン・ラム
2006年9月14日
CounterPunch原文

アル・スルタネー、レバノン

アメリカ製クラスター爆弾----レバノンの南部には13万発以上の不発ボムレット[クラスター爆弾が爆発して散らばる小爆弾]が残されたと推定される----についての最初の影響評価と除去作業が進められている中、予期されていなかったことが明らかになりつつある。

9月9日の段階で、数十の村の合計498カ所で調査されたクラスター爆弾の問題の広がりと深刻さは、予想を上回るものだった。これまでに廃棄されたのは4%に満たず、南部の村々で、国連爆発物処理タスクフォースが生活や農業に利用しても安全だと確認を出した地域は0%である。

瓦礫を除去するための重作業機を操作する運転手さえ、作業に困難を感じている。イスラエルは、多くの建物が爆弾で破壊される前にも後にもクラスター爆弾を投下したため、倒れた壁や瓦礫の層の間にクラスター爆弾がサンドイッチ状にはさまれているためである。

M−26クラスター爆弾ユニットは、障害物のない開けた平らな地域という理想的な状況で、「理想的なボムレット」を使う場合には「有望」に見えるかも知れないが、軍が自賛する1%から4%の「不発率」ではなく40%から60%もの「不発率」に及ぶボムレットが残された村々での現実は、それとは大きく異なる。ふつう、性能がこれほど低い武器が、武器見本市でまじめに考慮されることはない。

レバノンに投下された米国製クラスター爆弾は、ヒズボラ部隊をやっつけるというイスラエルが主張した目的と正当化から見ると、ほとんど全面的な失敗である。レバノン軍と国連そしてヒズボラ筋は、いずれも、今回の戦闘で、クラスター爆弾がパレスチナ・アマル・ヒズボラの戦士たちにほとんど何の影響も与えなかったと述べている。

あるヒズボラの司令官は著者に次のように語った:「3人か4人[は死んだかも知れない]。我々の部隊の事故から、私が耳にしていない死者が他にも数人いるかも知れない。けれども民間人と違って私たちはシオニストの侵略と長い間闘ってきたので、シオニストたちが何かする前に、何をするのか分かることが少なくない。確かに彼らはあなたの国の最新兵器で武装しているかも知れないが、一対一で対面したときにはまったく脅威ではない。イスラエル軍兵士は、イスラエルのプロパガンダが主張するよりもはるかに臆病で戦闘能力がなく、また、自分たちがパレスチナを盗んだことを知っているため心理的にも弱い。さらに、遅かれ早かれ、平和を確立しなくてはならないことも知っている。そうしなければ、自滅してこの地域から消えてしまうからだ」。

別の司令官はさらに次のようにも述べた。「私の同胞たちは彼ら[イスラエル]の部隊がレバノンに再び侵攻してくるのを待ち望んでいる。次にはさらにひどくやっつけたいと考えてうずうずしている。シオニストたちは、軍事訓練をして、その訓練を、石を投げる子どもたちを戦車でやっつけたり、検問所で妊婦を虐待するために使ってきただけだ。私たちは現在、彼らの戦車を破壊する武器を持っている。彼らが侵攻を続けられず、結局、停戦を受け入れたのはそのためだ。私たちは、人間としても兵士としても、シオニストの兵士たちに敬意は感じない」。

別の司令官は次のように語る。「パレスチナ北部で、私たちがロケットを一発とか数発、彼らの武器貯蔵場所や大砲のあるところに発射するとき、私の同胞たちは6分から7分以内に地下壕に隠れなくてはならないことを知っています。シオニストたちは自分たちの武器をアラブ人居住区の近くに配置しますが、ユダヤ人以外にシェルターは提供しないのです。私たちは民間人を標的とすると非難されますが、それは正しくありません。私たちはイスラエルの武器がどこにあるか正確に把握しています。イスラエル軍は、ガザでと同様にパレスチナ北部でも、民間人の後ろに隠れるのです。人々を盾に使っているわけです」。

別の調査からは、イスラエルが2006年7月から8月の紛争で用いたクラスター爆弾全体のうち、60%近くを停戦直前の72時間に使ったことが確認されている。現場の軍事アナリストたちは、その理由として2つが考えられると述べている。

1.イスラエル指導部が抱く苛立ちや憎しみ、怒り。また、リタニ川までをイスラエルが再占領しようとしたことに対するヒズボラのレジスタンスをレバノン人の85%以上(レバノンの中流階級やキリスト教徒も含む)が支持していることに対する復讐に取り憑かれたこと。

2.イスラエルが米国製のクラスター爆弾のストックをできるだけ早く減らしたかったこと----ペンタゴンは、M−26といった最新型のクラスター爆弾をイスラエルが注文するためには、これまでのストックを減らさなくてはならないと条件を付けている。これが、ほとんど遺物とも言える33年前の型のCBU−58が極めて多く用いられた理由である。新たに発注を出すためにイスラエルはCBUの在庫を一掃したのだと、あるレバノン軍情報筋は述べている。

米国のテッド・スティーブンス上院議員をはじめとする、9月9日にクラスター爆弾の使用禁止に反対した米国上院議員たちは、イスラエルがレバノンで実際に米国製クラスター爆弾を使ったことで何を達成したのか思案すべきだろう。

***

9月13日イスラエルのハーレツ紙に掲載された記事によると、イスラエル軍はレバノンに120万発以上のクラスター爆弾を発射し、また、燐弾も用いたとイスラエル軍兵士たちは述べているという。しかも、「その圧倒的大多数は、戦闘の最後の10日間に使われた」という。拷問の苦しみをともない相手を焼く燐兵器の使用は、国際法で禁止されている。

イスラエル軍ロケット部隊の司令官は、イスラエルのロケットはひどく不正確なため、対象地域をロケットで「あふれさせる」よう命じられたと語っている。兵士たちは、イスラエル軍の訓練では、イスラエル軍の発射拠点に不発弾を残して地雷だらけにしないために、実際のロケットはほとんどまったく使われたことがないと述べる。「それでも、レバノンのイスラエル軍は、15キロ以内の距離でロケットを発射したと兵士たちは証言する」。武器製造元のガイドラインではその距離では不発弾の数が大きく増えるとされているにもかかわらずである。

先のロケット部隊司令官----彼はイスラエル国防相に苦情を申し立てたが返事がなかったと言う----は、「レバノンでは、複数の村で村中をクラスター爆弾で覆い尽くした。我々がそこでやったことは常軌を逸した極めておぞましいことだ」と述べた。

フランクリン・ラム博士は国際法学者で、「Israel s War in Lebanon: Eyewitness Chronicles of the Invasion and Occupation」の著者。「if Americans Knew」の研究員。メールはfpiecelamb(atmarkhere)aol.com。


関連する記事(イスラエル軍のロケット部隊司令官の証言も重なっています:日本語はちょっと違いますが)が、P-navi infoにあります。

■9・23 半田滋さん講演会 「イラク派兵の現在を問う」(静岡)

憲法改悪・愛国心・日米軍事再強化を正面に掲げる安倍政権は、どこへ向かうのか!!

イラク自衛隊派兵の現実・自衛隊・日米軍事体制再再編、いま進みつつある日本の戦争国家への道に警鐘を鳴らす気鋭のジャーナリストを向かえ、右翼・安倍新政権の今後を見据えてこれを迎え撃つ学習会を開きます。

イラク自衛隊派兵裁判の総会も兼ねた会ですが、どなたでも参加できます。せひご参加を!!

◆日時 9月23日(土曜日)・祝日
◆時間 午後6時半
◆場所 静岡・労政会館(静岡駅西口徒歩3分)
◆参加費 会場カンパ

※ 講師半田滋さん(東京新聞編集局社会部記者)
199絵年より現在にいたるまで防衛庁取材を担当。業界においても異例なほどの長期にわたり、自衛隊を見続けてきた。イラク、米国、ロシア、韓国、カンボジアなど海外における自衛隊の活動も、現地で豊富に取材。 著書「自衛隊VS北朝鮮」新潮新書・「闘えない軍隊」講談社+α新書」>

地図 http://www.jpaa.or.jp/benrishinohi/shizuoka_area.html

※主催・イラク自衛隊派兵違憲裁判の会・静岡

■教育基本法の改悪をとめよう!9.30大阪集会

講演:高嶋伸欣さん(琉球大学教員)
   「教育基本法『改正』されたらこうあぶない!〜危険なのは社会全体〜」
報告:緊迫する教育基本法改悪をめぐる臨時国会情勢
   教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
個人・各団体からのアピール

日時 9月30日(土) 
  開場13:00 開会13:30 
場所 大阪市中央区民センター 大ホール
  地下鉄堺筋線・中央線「堺筋本町」
参加資料代 1000円
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

これから、「継続審議」になっている「共謀罪」「教育基本法改悪」などが臨時国会で審議されることになります。「美しい日本」なる奇妙な本を書いている首相候補は、これらや防衛庁の「防衛省」への昇格を通して「おぞましい日本」を作ろうとしているようです。これらを止めるために。
益岡賢 2006年9月16日 

パレスチナ/イスラエル] [トップ・ページ