イラク戦争の犠牲者を追悼する:集会案内


転載可とのことなので、転載致します。

−イラクからの証言者−

●サルマ・アルーハダットさん
マンスール子ども病院医師、バグダッド大学医学部教授。現在のイラク戦争の被害を目の当たりにする医療現場から「劣化」ウラン弾による被害を語っていただく。1955年生まれ。

●ハナ・イブラヒムさん
連合軍によるイラク占領に反対してきたジャーナリスト。現在、女性の権利を求めるNGOの代表でもある。「旧政権下でも占領下でも私はあらゆる殺害に反対する」と語る。1949年生まれ。

●ムザッファル・アフマド・ムハンマドさん
ファルージャの爆撃で家屋を破壊され、いま家族は親戚宅へ身を寄せている。3カ月間獄中にいた体験をもち、その間アブグレイブ刑務所にも収容されていた。1975年生まれ。

−アメリカから反戦を訴える−

●イヴァン・メディナさん
昨年イラクに派遣されていた元アメリカ軍兵士。同じく兵士としてイラクに共に派遣された兄弟のアーヴィングさんは、バグダッドを移動中に、仕掛けられた爆弾によって亡くなった。米軍に身内や恋人をもちイラク戦争に反対するグループ「Military Families Speak Out」のメンバー。1981年生まれ。

−国内各地の集会− (8月10日以降の集会のみ掲載)

【東北地方】 (証言:ハナさん、ムザッファルさん)

8月10日(火)午後6時半〜9時
 北上・さくらホール
 http://homepage3.nifty.com/peace-iwate/index.htm
8月11日(水)午後6時半〜8時半
 秋田・秋田市民会館
 TEL/090-2606-0587(大島さん)
 
【関東地方】

8月10日(火)午後7時〜9時
 東京・中野区立商工会館 (証言:イヴァンさん)
 TEL/03-5273-8362(APAジャパン)
8月12日(木)午後6時半〜9時
 東京・文京区民センター (証言:ハナさん、ムザッファルさん)
 TEL/080-1082-9980(高瀬さん)

【北陸・中部地方】

8月12日(木)午後6時半〜
 新潟総合福祉会館5階大会議室 (証言:サルマさん)
 TEL/025-259-1639(小西さん)
8月13日(金)午後6時半〜9時
 長野市ふれあい福祉センター 
  (証言:ハナさん、ムザッファルさん)
 ※予定の県職員センターから変更
 TEL/026-226-1125(篠崎さん)

【関西地方】

8月11日(水)午後6時半〜
 神戸学生青年センター (証言:イヴァンさん)
 TEL/078-574-0701(KOBEピースiネット)
8月12日(木)
 篠山市民センター (証言:イヴァンさん)
 TEL/079-552-2445(篠山教会)
8月13日(金)午後3時〜
 須磨教会 (証言:イヴァンさん)
 TEL/078-733-2825(須磨教会)
8月14日(土)午後1時半〜4時半
 姫路市民ギャラリー・アートホ-ル (証言:サルマさん)
 TEL/0792-82-5084(久貝さん)
8月15日(日)午前10時〜午後4時半
 大阪・ドーンセンター 大ホール 
 (証言:サルマさん、ハナさん、ムザッファルさん、イヴァンさん)
 TEL/06-6562-7740(心に刻む会事務局)

【四国地方】 (証言:サルマさん)

8月10日(火)午後7時〜
 新居浜市ウイミンズプラザ2階視聴覚室
 TEL/0897-37-1660(坂田さん)
8月11日(水)午後6時半〜8時半
 高松市女性センター
 TEL/090-3460-1509(高橋さん)

■問合せ先

「アジア・太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳せ、心に刻む集会」実行委員会事務局
 〒556-0026 大阪市浪速区浪速西2-3-2-608 上杉様方
 TEL/06(6562)7740 FAX/06(6562)5272
 Mail/kizamu@osk3.3web.ne.jp


イラクの「統治評議会」が、アルジャジーラのバグダード支局を閉鎖させたというニュースが入ってきた(「アルジャジーラ、バグダード支局閉鎖」および「続報」をご覧下さい)。

米英日の自分勝手な視点を固定化し、米軍の大本営発表をそのまま繰り返すだけの「軍属」メディアが多い中、アルジャジーラは、少なくとも独自の貴重な情報を伝えていた。2004年4月、ファルージャが包囲され、米軍の暴力で多数の住民が殺されていたときにも、人道活動家や独立したジャーナリスト以外で状況を伝えていたメディアだった。

ロバート・フィスクは、7月19日付インディペンデント紙の記事で、イラクにいる「西側ジャーナリスト」たちの中で、ファルージャ爆撃やティクリートの爆発などを取材に行くものは誰もいないと書いている。アフガニスタンでも状況は同様。そのような状況でイラク「統治評議会」や米軍の発表をもとに報道を行うならば、バグダードにいても英国にいても、同じであると。

そうした中で起きていることはといえば、米軍の爆撃で小さな子供たちが殺された出来事に対して、アラウィ氏の「死者たちはテロリストだった」という発表を伝えること。アフガニスタンで、結婚パーティを爆破しておきながら、犠牲者がテロリストだったと言い張ること。全く逆さまの世界の捏造。

イラクで実際に占領軍とそれが押しつけた政府が行なっていることを伝えさせないこと。これが、もともと国際法に違反し、また、既にあらゆる侵略の理由付けがイカサマであったことが完全に明らかになった、米軍主導のイラク侵略と不法占領をごり押しするための最後の砦となっている。

振り返って考えてみると、高遠さん・今井さん・郡山さんに対する異様なまでの感情的バッシングが発動された一つの理由は、せっかく大手メディアが上手い具合に「軍属」され「大本営発表」の使いっ走りとなっていた中(むろん新聞単位・記者単位での例外はあるが)、独立に見てきたことを伝えられる経路が開いてしまうことを恐れたことにあると考えられる。

金を貰って仕事でやっているという意味での「プロ」が機能不全に陥っている中、「アマチュア」の優れた仕事をたまたま起きた事件を捕らえてバッシングしようという構図は、「紛争地の復興支援のプロ」であるらしい自衛隊が何もできずに兵営地に閉じこもる中で、「アマチュア」とされる高遠さんがイラクの子供たちへの具体的な支援を展開し大きな支持を得ていたことを考えると、報道活動においても人道支援においても、並行して進められた構図であることが理解できる。

自らの機能不全を隠蔽するための卑劣なバッシング。

そうした中では、自閉した「プロフェッショナル」に対して、アマチュアの、普通の、あたりまえの人たちの見たこと、聞いたこと、伝えようとしたことを読み解き伝えることが、極めて大切になる(「プロフェッショナル」を自称する人たちは、しばしば自らの技術的拙劣さを批判的に検討することなく、アマチュア=未熟と決めつけがちだが、アマチュア=未熟という短絡もまた、「プロフェッショナル」の機能不全を隠蔽するための「プロ」側からのクリシェと化している)。

そんなわけで、マスメディアが機能不全に陥っている中、インターネット上その他の媒体を通して個人やグループが紹介する様々な情報の他、ここでご紹介した集会などは、伝えられない情報を手に入れる良い機会だと思う。


卑猥な自称「プロNGO」についての多少乱暴な補足:

自閉した自称「プロフェッショナリズム」に、勘違いした自称「プロNGO」のスタッフなどが同調し、プロ/アマの操作的・機能的な定義を恣意的に自分に都合よく設定して、非論理的な「プロフェッショナリズム」を売りつけようとしゃしゃり出てくることもある。

たとえば、こうした自称「プロNGOスタッフ」は、あらかじめ高リスク下で行う活動は、自らの自閉した基準に従って自らの活動定義から恣意的に排除した上で、高リスク下では自分たちは適切に撤退の判断をしたなどということを宣伝したりする。

その「プロNGO」が恣意的に決めた活動可能範囲のリスク水準よりも高リスクのところで活動しなくてはならないと、ある人やNGOが決断した場合、問題なのは、当然リスクが高いのだから危険に陥る可能性の最低値は確実に高くなることは避けようがないことを認めた上で、どれだけその最低値に危険遭遇率を近づけるか、になるべきである。

ところが、自閉した出しゃばりの自称「プロNGOスタッフ」などは、自己肥大妄想に従って自らの内部的・恣意的基準が一般化できると勝手に何の根拠もなしに決めつけた上で、それを越えた活動はそもそも「アマチュアのやること」というトートロジカルな議論を平然と展開する。

個人的な経験だが、「投票監視の専門」と称するNGOのスタッフたちに、最低限のサンプリングの知識や統計的検証の最低限の知識、さらには形式的中立と歴史的経緯との考慮による視点設定の論理性が全くなかったことを知る機会が、しばらく前にあった。投票監視の専門NGOというよりは、投票所巡り専門ツアー団といった感じであった。しばしば、そうした団体は、声だけは大きい。

「ペシャワールの会」中村哲氏(そのアフガン社会観については様々な意見があるだろうが)による地に足の着いた活動報告などと比べると、こうした自称「プロNGO」スタッフの言葉の空疎さは際だつ。UNHCR職員のランドルフ・ケントは、バルカンから東アフリカ担当に移った際、バルカン戦争の「復興資金」を使おうと加熱しているNGO等の援助団体間の衝突は「ほとんど卑猥である」と述べたことがある。自称「プロNGO」スタッフの言葉もまた、「ほとんど卑猥」である。

むろん、「プロNGO」と自称する中には、国連とか外務省とか、何とかの情報ネットワークとか、とりあえず自分たちの基準で自分たちの想定するリスク管理についてはそれなりのノウハウ(そしてそれは他の活動に有用なことも多いわけですが)を持っていることもあるだろう。で? だから自らの自閉した基準を特権化しそれに従ってあらゆるものを評価する???・・・・・・というのは、単にゴミである(大体「プロ」が何にも伝えないからアマチュアが伝えなきゃいけなかった、というのが出発点じゃなかったのかしら?)。

「プロNGOにまかせよ」というNGOは、自らの主張を他の領域にも適用して、自分たちの発言の際には「プロフェッショナル」たる電通や博報堂に、シナリオの作成をまかせよう、とは思わなかったのだろうか。


誤解の無いように付言:

私は、アマチュアだから技術レベルが低くて良いと思っているわけではない。また、(ちょっと乱暴だが)「自分はこれで金をもらっているからそれに応じたレベルを保つ」というまっとうなプロフェッショナリズムには敬意を抱いている。たとえば、少し表現しすぎではないかとさえ思える厳しい検討を自らに加える土井敏邦さんのような方にも。

パレスチナ系イラク人がやっているブログの日本語版「Raed in the Japanese Language」の最新記事2点、ぜひお読み下さい。
益岡賢 2004年8月10日

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