ストライキ中のBP労働者をコロンビア軍が攻撃
クレア・ホール
ZNet原文
情報源:Redantliberationarmy
2010年6月10日木曜日


エスパシオ・ブリストル=コロンビアより。コロンビアのカサナレ県で5カ月前から続いていたBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)に反対する動員は、今週、コロンビア軍がBPの施設に入り込みBP施設を平和的に選挙していた労働者の前に立ちはだかったことでさらに激しさを増した。人々は、 BPが労働者及び地元コミュニティとの交渉で合意を締結する態度を示さなかったことで5月23日からBPの施設を占拠していた。

6月9日水曜日、重武装したコロンビア国軍の特殊部隊がタウラメナ中央処理施設の防御フェンスを乗り越えて侵入し、労働者グループに身体的暴力と言葉による暴力を浴びせた。全国石油労働者組合のオスカル・ガルシアは「労働者のグループをまるで戦争のように扱うことは過剰な武力行使であり、労働紛争を治安問題であるかのように扱うものです。これは、ただ基本的人権の尊重を求めているだけの労働者に対してBP者が戦争を仕掛けていることを示すものです」[i]。

スト中の労働者たちが冷静に対応したため、状況は現在一時的な平静を保っているが、軍は駐留を続けており、高い緊張状態にある。コロンビアは以前から世界で最も多く労働組合員が殺される国で、今年に入ってからもこれまでに17人の労働組合員が殺されている。

全国石油労働者組合のエドガル・モヒカは、「1990年代前半にBPがコロンビアに入って来てから長い間、油田周辺には準軍組織が展開していたため、労働者は現在まで組合を組織することができなかったというのは、誰もが知っています」と語る。

夜、労働者たちは、機械に体を結びつけて、仮施設で眠る。暴力的に排除されないようにするためである。

「BPは私たちが疲れと恐れから諦めると思っているのでしょう。けれどもこれは皆のための闘いですから、これまでひどい状況を持ちこたえてきました」。カサナレ尊厳運動のラミロはこう話す。「賃上げとよりまっとうな労働条件、動員に参加した人々全員の身の安全の保証に関する協定に署名し、環境、人権、社会投資、商品サービス関係の委員会と事前に合意した事項を尊重するまでは、私たちはここを動きません」。

労働者たちは、BPとの合意を達成するためにこうした手段を取ることを余儀なくされたことに失望しているが、驚いてはいない。動員は今年2月に始まった。労働者たちが直接行動に訴えてBP施設にアクセスする道を封鎖しなくてはならなくなったのは、BP社が労働組合権を認めず、団体交渉での労働協約を拒否したためである。道路封鎖に対しては、悪名高いコロンビアの警察機動隊 ESMADが暴力的な攻撃を仕掛け、抗議行動を終わらせようとした[ii]。

BP に反対する市民社会運動が暴力的な弾圧を受けたのはこれが初めてのことではない。2003年、地元コミュニティがBPに抗議し、環境問題と社会問題、労働問題に対処するよう求めたことがある。BPは交渉を拒否した。それから数カ月後、動員に関与したコミュニティ指導者たちが暗殺された(2004年にオスワルド・バルガスが、2005年にパルメニオ・パラが)[iii]。さらに、2007年に英国で開かれたコロンビアにおけるBPの行為をめぐる予備的な公聴会では、「BPが利益を最大化する直接的戦略の一貫としてカラナレの社会組織の殲滅に共謀したことについて責任を明らかにすべき状況にあることを結論づける十分な証拠がある」ことが確認されている[iv]。

これまでも弾圧を受けていた経緯があるにもかかわらず、2月のESMADによる攻撃に反対する大規模な行動が起こった。2000人の人々がデモで労働者に支持を表明し、さらに15箇所で自発的に道路が封鎖され、コミュニティの人々と地元の商店関係者がストに参加し、カサナレ尊厳運動が生まれた。BPは人々の声を聞くことを余儀なくされ、5つの委員会に参加することに合意した。住民集会が開かれて交渉における要求事項が決められ、3月23日にBPに提示された。しかしながら、2カ月にわたる交渉を経ても、労働組合委員会の立場はまったく受け入れられなかったため、現在のストライキが始まったのである。

石油が採れ、その石油がアメリカ合衆国に輸出されているにもかかわらず、カサナレ県は極貧にあえぐ地域である。水資源に依存した暮らしをしている地元の農民たちによると、この貧困は、石油探索と採掘が引き起こした環境破壊、さらにその結果生じた汚染と水資源の喪失によりさらに悪化している。

全国石油労働者組合のガルシアは、「米国でBPが起こした事故について耳にしました。BPが、安全な操業を行いBPで働く人々を守るために必要な措置をとらなかったために死んだ人々の家族と労働者にお悔やみの声を届けたいと思います」と語る。「ここコロンビアでも、BPは人命を尊重しない態度を示しています。彼らがもたらした戦争により 9000人を越す人々の命が失われました」。

「米国におけるこの大災害に関して責任を問われるべきなのは議論の余地なくBPであり、BPが引き起こした損害に対してできる限りの賠償を行うようBPに求めます。影響を受けた北米の皆さんに連帯を送り、また、皆さんにはカサナレの人々への連帯をお願いします。カサナレがどのような状況か来てみたい方はいつでも歓迎します」。

BPは、コロンビア軍第16旅団への援助を続けている。この旅団は1991年、カサナレの油田の治安を守るために造られた部隊である。第16旅団は以前から残虐な人権侵害を行った記録がある。この旅団が行った人権侵害としては、超法規的処刑、失踪、殺人、拷問、強かん、カンペシノたちのコミュニティの強制追放などがある。しかしながら、カサナレで起きている重大な人道危機もそれが石油産業とりわけ BPと結びついていることも、カサナレ尊厳運動をひるませることはない。

「BPは偽情報キャンペーンを展開していますが、私たちの決意は固く結束しているので、尊厳をもって抵抗を続けます」とラミロは言う。「米国の人々とも団結できれば、私たちはいっそう強くなるでしょうし、さらに先に進むことができるでしょう」。

注:

[i] http://usofrenteobrero.org/index.php?option=com_content&view=article&id=840:arremetida-del-ejercito-nacional-contra-trabajadores-en-tauramena-casanare&catid=35:nacional&Itemid=143

[ii] http://www.colombiasolidarity.org.uk/events/26-upcoming-events/493-police-assault-bp-oil-workers-in-colombia

[iii] http://espacio.org.uk/bp/CasanareMission2007Report.pdf

[iv] http://espacio.org.uk/bp/PUBLIC_DECLARATION_Glasgow.pdf

エスパシオ・ブリストル=コロンビアは、コロンビアで社会正義を伴う平和のために闘っているコミュニティや組織と連帯する人々の自治共同体で、英国ブリストルとその周辺の住人を中心としているが、英国全土のメンバーが現在増えている。コロンビア友情連帯国際ネットワーク(Red de Hermanidad)のメンバーでもある。


■ 辺野古通信

辺野古通信ご覧ください。

■ 入管の人権侵害に反対するデモ

日時:2010年6月20日(日・世界難民デー)
集合:東京・代々木公園・ケヤキ並木(JR原宿駅徒歩5〜10分)
  14:00 集会、アピール交換
  15:00 デモ出発(原宿・渋谷をめぐり、国連大学前を通ります)
主催:SYI (収容者友人有志一同)

■ 政治の変革をめざす市民連帯 第9回政治討論集会
  テーマ:東京都の教育はどうなっているのか

講師:土肥信雄さん
  (東京都から不当に処分された三鷹高校元校長)
日時:6月20日(日)午後1時30分
会場:東京・文京区民センター
  (地下鉄春日駅、後楽園駅下車)
参加費:700円
主催:政治の変革をめざす市民連帯(略称:市民連帯、CS)

■ 宮森小学校米軍ジェット機墜落事件51周年
  伊波・宜野湾市長が語る
  もうガマンできない!普天間基地とは暮らせない!!

日時:6月26日(土)13:30開場
   13:50開始~16:30終了
会場:文京区民センター3A
参加費:1000円

■ 「どうするアンポ」上映&トーク

お話:小林アツシさん(映像ディレクター)
日時:2010年6月26日(土)6時半開始
場所:東京・文京区民センター 3D会議室
参加費:800円

■ 朝鮮学校差別を許さない!
  「高校無償化」即時適用を求める市民行動

日時:6月27日(日)
   14:00 集合・集会スタート 15:00 デモ出発
会場:東京・芝公園 23号地集会広場
   地下鉄三田線御成門駅下車3分
主催:「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会
連絡先:watasitati2004 at yahoo.co.jp

■ 『〈鏡〉としてのパレスチナ』刊行記念シンポジウム

日時:6月27日(日)14時30分~17時30分(開場14時00分)
場所:在日本韓国YMCA 304・305教室
  (東京都千代田区猿楽町2-5-5)
参加費:800円
主催:ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉

■ 子どもと教科書を考える府中の会
  連続学習会第2回
  「韓国併合100年、私たちはどのように向き合えばいいのか
    戦争責任・戦後責任・未来責任」

講師:前田朗さん(東京造形大学)
日時:6月27日(日)午後6時30分~9時
会場:東京・府中グリーンプラザ6階「第1・第2会議室」
   京王線「府中駅」北口徒歩2分 
資料代:500円

■ 「みんなで止めよう!! 基地強化」

日時:2010年7月24日(土)13時30分~
場所:廿日市市商工保険会館交流プラザ
   廿日市市本町5-1
講演:安次富浩(あしとみ・ひろし)さん
  (沖縄・ヘリ基地反対協 代表委員)
岩国からのアピール:岡村 寛さん
  (愛宕山を守る市民連絡協議会 世話人代表)
資料代:500円
手話通訳&託児あり
主催:岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会
益岡賢 2010年6月16日

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