オバマ政権は米国の対コロンビア政策の焦点を麻薬対策からゲリラ対策に変更
2009年7月27日
ギャリー・リーチ
ColombiaJournal原文


オバマ政権が提案した2010年の対コロンビア援助パッケージは、民主党が過半数を占める議会でほとんど反対も修正もなく動き出しそうな気配である。その結果、オバマ政権は対コロンビア政策の重点を移し、プラン・コロンビアの名を冠する対麻薬政策のもとでコロンビアに提供されている援助のよりますます多くを対ゲリラ作戦につぎ込むことができるようになるだろう。オバマ政権の援助パッケージを見るならば、米国の新政府はブッシュ前政権がコロンビアで進めていた軍事主義的政策を継続するだけでなく、西半球で最悪の人権侵害記録を有するコロンビア軍との関係をさらに密接にすることで軍事主義的政策をさらに強化しようとしていることがわかる。

オバマ政権が来年のために要求した対コロンビア援助5億1800万ドルは、ブッシュ政権が最終年に提供した援助パッケージ総額5億4500万ドルよりもわずかに少ないだけである。さらに、コロンビアに対する社会経済的援助を重視して軍事援助を削減することを新政権に期待していた人々にとって、今回の新たな援助パッケージはとりわけ残念なものである。昨年、ブッシュ政権が提供した援助のうちコロンビア軍に提供されたのは56パーセントだが、今回オバマ政権の提案では、米国援助の57パーセントが軍に割り当てられる。ただし、下院法案(軍への援助は54パーセントとする)および上院歳出委員会(53パーセント)のおかげで、最終的な援助パッケージでは、軍に割り当てられる援助額はわずかに減らされるだろう。

問題なのは、コロンビア軍に割り当てられた米国の援助額だけではない。資金の配分もまた問題である。オバマ政権は麻薬対策資金と法執行関連資金を13パーセント減らそうとしている(2億4750万ドルから2億1600万ドルへ)と同時に、対麻薬戦争に限定されないコロンビア軍への援助資金を30パーセント増やそうとしている(5億7600万ドルから7億4600万ドルへ)。下院でも上院でも対外援助法案では、政権が求めた軍事援助と麻薬対策の額をわずかに減らしているが、増減の方向性そのものはそのままである。

援助額の数値は、米国の政策が、米国内でオバマを支援した多くの人々が求めている方向とは正反対の、問題含みの方向に変化したことを示している。コロンビアで米軍が果たしている役割を減らして社会経済的援助を増額する代わりに、オバマ政権はコロンビア国内の武力紛争に対する米国の介入を一層強化したのである。提案された援助パッケージに見られる不穏な数値以外にも、オバマ政権はコロンビア紛争に対する米国の介入をエスカレートさせる方途を探っている。

オバマ政権とコロンビア政府の間で進められている交渉の結果として見込まれる協定では、米軍がコロンビア空軍基地三箇所を利用することができるようになる予定である。米国は、エクアドルのマンタにある軍事基地の代替場所を求めている。というのも、エクアドル大統領ラファエル・コレアは、今年末に失効する米国とエクアドルの現行協定を延長しない決定を下したからである。エクアドルとの協定条件では、米軍がマンタから航空機を飛ばすことが認められていたのは、麻薬対策の使命に限ってのことだった。コロンビアの武力紛争に関する情報収集に従事することは禁じられていた。

対照的に、伝えられるところでは、コロンビアとの間で結ばれる予定の新たな協定では、米軍は麻薬対策任務だけでなく「対テロ」活動のために軍機を飛ばすためにも基地を使うことができる。すなわち、米国は、コロンビア最大の左派ゲリラ・グループであるコロンビア革命軍(FARC)を標的とした情報収集活動を認められることになる。さらに、コロンビア最大の日刊紙エル・ティエンポによると、米軍がそのようにして収集した情報にコロンビア軍は即座にアクセスできるようになるという。

コロンビア軍の残虐な人権記録を考えるならば、オバマ政権の対コロンビア政策はとりわけ大きな問題である。例えば最近、対ゲリラ作戦に参加していたとされる兵士達が超法規的処刑を1100件も行っていたことが明らかになっている。結局のところ、オバマ政権と民主党主導の議会による対コロンビア政策は、ブッシュ政権と共和党時代からわずかにしか変わっていない。しかも、悲しいことに、そのわずかな変化は、軍事主義を強化する方向に向いているのである。


■ 辺野古通信

辺野古通信ご覧ください。

9・15ピョンヤン宣言7周年のつどい

過去の清算と拉致問題の解決を考える
-日朝国交正常化早期実現を!-
日時:9月15日(火)午後6時半開
場所:文京区民センター3A大会議室
講演:蓮池透さん(元拉致被害者家族連絡会事務局長)
   西野瑠美子さん(バウネット・ジャパン共同代表)

派遣労働の規制強化を求める請願署名

派遣労働の規制強化を求める請願署名署名プロジェクトから署名できます。

連続講演会:軍事に頼らない平和を実現するためには?

新「防衛大綱」ではなく、「軍縮計画の大綱」を
~「抑止論」を超える選択肢を探るために~

日時:8月2日(日)14:00~16:00(開場13:30)
講師:杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)
会場:高島平図書館 3階講義室
  (都営三田線「高島平」駅西口下車徒歩4分)
   1階に案内はありませんが、直接エレベーターで3階までおいでください。
入場 無料
主催 ピースアクション板橋 (連絡先 090-3961-9692)

ドキュメンタリー映画「沈黙を破る」東京永山上映会

イスラエル問題の新たな断面を提示するドキュメンタリー映画「沈黙を破る」上映会のご案内です。

□日時
 2009年8月8日(土)
 ①11:00~13:15
 ②14:00~、上映後、土井敏邦監督トーク(~16:45)
 ③17:30~、上映後、土井敏邦監督トーク(~20:15)
 トークゲスト:土井敏邦(監督・ジャーナリスト)
□会場
 ベルブホール(ベルブ永山5F/京王・小田急永山駅から徒歩約2分)
□チケット
 大人:1000円 / 18歳以下:500円
 *前売券およびインターネット予約の価格
 *当日券は席に余裕がある場合に各200円増で販売
□前売券販売
 多摩センター・福祉ショップ「きずな」
 ベルブ永山3F・はらっぱ内「あしたや」
 聖蹟桜ヶ丘・ヴィータ7F「風」
 ナチュランド
 ナチュランド・シルフレイ
 カフェ・ドゥードゥー
□インターネット予約
 インターネットで事前申込の場合、当日に前売券価格で精算いたします
 こちらからどうぞ ⇒ http://www.taenoha.com/tamaheiwa
□主催・問合せ
 多摩平和イベント実行委員会
 電話:090-1107-8264

ヘイトスピーチは許せない!
 『行動する保守!?』にどう向き合うか


日時:8月14日(金) (2時半開場)午後3時~9時
場所:文京区民センター2A
連絡先:livingtogether09@gmail.com
ブログ:http://livingtogether.blog91.fc2.com/

『行動する保守』を自称し、街頭でヘイトスピーチをまき散らす動きが現れています。「在特会」に代表される彼らは、外国籍の住人に「特権」にまもられた「犯罪者」であるというレッテルを貼り、排外主義や差別の感情をあおり立てています。

しかも、この扇動に「共感」を示す人の数も増えつつあります。彼らは外国人家族や、奪われた尊厳や権利の回復を求める人たちに個人攻撃をしかけています。このただの弱いものいじめを呼びかけ、実行することで満足や解放感を得る人々が登場しているのです。

私たちは、これらの動きをいずれ消えていく動きとして放置してよいのでしょうか。彼らの行動や言動が、私たちの社会に根ぶかく続いている排外主義、他者を押し殺す社会のありようの戯画であるなら、それに何らかの手を打っていくべきではないでしょうか。この社会に生きるものとして、この動きに正面から向き合うことが今こそ求められていると思います。

私たちは4月11日に埼玉県蕨市で行われた「在特会」による外国人排除デモへの抗議行動をきっかけに集まり、この問題について話し合ってきました。またこの間、各地で「在特会」のヘイトスピーチに対抗する行動が取り組まれています。これら対抗行動の様々な経験と出会いを交流し、排外主義を封じ込めるため、今後何をするべきなのか、皆さんと広く話し合う機会を持ちたいと私たちは考えます。この集会への多くの方の参加を期待するとともに、集会の実現に協力していただける方を求めます。連絡ください。

2009年7月21日
「ヘイトスピーチは許せない!『行動する保守!?』にどう向き合うか」集会実行委員会
連絡先:livingtogether09@gmail.com
ブログ:http://livingtogether.blog91.fc2.com/
益岡賢 2009年7月30日

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