米州サミットでFTAAは却下されたにもかかわ
らずコロンビア人には「自由貿易」が適用される

ギャリー・リーチ
2005年11月7日
コロンビア・ジャーナル原文


最近開催されていた米州サミットの閉会宣言で米国が推進する米州自由貿易地域(FTAA)を支持しないことが明らかになったとき、ジョージ・W・ブッシュはエアフォース・ワンに乗ってサミットが閉会する前にアルゼンチンを立ちさった。米国は、アルゼンチンで失敗したのち、米州全域にわたって二国間あるいは一部地域での自由貿易合意にこぎつけようと働きかけている。11月14日、米国とコロンビア、エクアドル、ペルーの交渉担当者が、米国=アンデス地域自由貿易合意を最終化するために会合を持つ予定である。

米州サミットのあと、ブッシュ政権の担当者は、参加34カ国のうち29カ国がFTAAを支持したと指摘した。西半球のこの合意に反対したのは、ブラジルとアルゼンチン、ベネズエラ、ウルグアイとパラグアイだけあったとも。けれども、これら5カ国は、ラテンアメリカにおける経済活動の半分以上を占めている。これら反対派5カ国は、サミットの閉会宣言の中に、ある文言を盛り込んだ。その文言は、「市場へのアクセスにおいて公平かつ公正で、補助金やゆがんだ商習慣のないような西半球の自由貿易協定を実現する状況は存在しない」ため、地域的な自由貿易合意は一部の国に打撃を与える、というものである。

サミットでは29カ国の指導者がFTAAを支持したが、これらの国の多くで、人口のほとんどはFTAAを支持していない。つまり、これらの指導者は、市民が表明している意志を反映していないのである。たとえば、コロンビア大統領アレヴァロ・ウリベはFTAAの提唱者であり、現在、米国=アンデス地域自由貿易協定の交渉に参加している。しかしながら、10月の世論調査では、コロンビア人の43%が米国との自由貿易合意に反対である一方、支持者は38%に過ぎないことが示されている。人々は支持していないにもかかわらず、ウリベはコロンビアの人々に自由貿易合意を押しつけようとしている。これにより利益を得るのは、米国経済と多国籍企業、そしてコロンビアの経済エリートの一部である。

さらなる問題は、ウリベ政権が、大統領の経済政策に批判的なコロンビア市民に対して一連の弾圧を加えていることである。この一カ月のあいだに、政府は自由貿易合意に反対しているコミュニティ指導者二人を逮捕した。カウカ州のナサ先住民指導者ホセ・ヴィセンテ・オテロ・チャテは10月6日逮捕され、テロリズムの罪で告発されている。オテロ・チャテはカウカ州で民意を問う協議を行い、そこでは大多数の参加者が米国=アンデス地域自由貿易合意に反対した。

10月17日には、自由貿易を批判するもう一人、ミゲル・アルベルト・フェルナンデス・オロスコ----コロンビア最大の労働組合である中央労働組合連合(CUT)の地方委員長であり、カウカ州の農民組織の指導者でもある----が、右派準軍組織コロンビア自警軍連合(AUC)から殺害脅迫を受け取った。殺害の脅迫を述べたパンフレットには、また、フェルナンデス・オロスコの組織をはじめとする農民グループは「テロリストと左派ならず者たちに指導されている」とあった。11月1日、ウリベがアルゼンチンでブッシュと会って自由貿易合意への支持を確認するたった数日前、フェルナンデス・オロスコはカウカで逮捕され投獄された。

ブッシュが米州サミットを立ち去ったのち、ベネズエラ大統領ウーゴ・チャベスは勝利を宣言し、「本日最大の敗者はジョージ・W・ブッシュだ。この人物は傷を受けて立ち去った。彼の顔に敗北の刻印が見えた」と述べた。FTAAに対する地域の反対により、西半球全体に合意を適用しようとするワシントンの試みははっきりと阻止された。けれども、残念亜柄、ブッシュ政権とウリベ政権は、コロンビア人に、人々はそうした合意にはっきりと反対しているにもかかわらず、自由貿易を押しつけようと今もしているのである。


市民意見広告運動事務局」が、憲法9条を変えることに反対する意見広告への賛同人を募っています。9条に特化しすぎることに懸念がありますが、それでも今、重要なので賛同しようと考えています。皆様もいかがでしょうか。

11月10日・11日・12日、憲政記念館で、「安保利権に群がる日米国防族・軍需産業」が「日米安保戦略会議」と称する戦争会議に集います。「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン2005」さんから、抗議のFAXを送ってくださいとの案内がきています。

【抗議・要請先FAX】
◇憲政記念館(衆議院事務局):03-3581-7962 
    例)「ひどい!来年は貸さないで!」
◇三菱重工(本社):03-6716-5800 
    例)「MDから撤退を!兵器で儲けるな!」
◇額賀福志郎:03-3592-0468 ◇前原誠司:03-3592-6696
    例)「参加するな!」「安保利権から手を引け!」
[呼びかけ]核とミサイル防衛にNO!キャンペーン2005

時間がありませんが、ぜひご協力を。

安田純平さんのイラク・トークライブ「イラクは今どうなってる?」が12月3日にあります。

マスコミでは知りえないイラクの現実を、スライドを交えながら安田さんに語っていただく講演会とのことです。

<やすだじゅんぺい>
1974年生まれ。一橋大学卒業後、信濃毎日新聞記者を経てフリーに。イラクでの取材を重ね、昨年4月にバグダッド郊外のアブグレイブで武装グループに拘束され、3日後に解放。今夏もシリア、ヨルダンなどを取材。

12月3日(土) 午後6時開始
会場 産業商工会館講堂(杉並区阿佐谷南3-2-19 03・3393・1501)
   JR阿佐ヶ谷駅より徒歩5分
   地下鉄丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅より徒歩3分
資料代 1,000円(学生500円)
主催 安田さんの話を聞く杉並の会
E-mail mail@suginami-waku2.net

イタリアのドキュメンタリーで米軍がファルージャで燐兵器を使っていたことがいよいよ明らかになりました。体を燃やし溶かす無差別殺人兵器です。その状況と残酷さについて、下記をご覧下さい。

英インディペンデント紙紹介記事の日本語
白燐弾について、去年の報道・記述のまとめ
イタリアRAIテレビのフィルムの内容とダウンロード用リンク

ぜひ、ご覧下さい。また、改めて私たちが訳した『ファルージャ2004年4月』(現代企画室)および土井敏邦さん製作のビデオ・ドキュメンタリー『ファルージャ2004年4月』をご覧いただき、この状況を広め抗議していく行動を起こしていただけますと幸いです。

これら本・ドキュメンタリーについてはFalluja, April 2004を、また、一人でもできるメールやFAXでの抗議は、こちらを参考にして下さい(米国国務省・日本の首相官邸)。
益岡賢 2005年11月10日

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