WTO  
ドーハWTO閣僚会議の向けて その3
2001年9月
 
宣言草案のデッドライン

9月4日、Stuart Harbinson WTO理事会議長は、ジュネーブで記者会見を行い、「ドーハの閣僚会議の宣言文草案を、責任を持って書く」と語った。ということは、宣言文の最終草案のデッドラインはとうに過ぎており、このままでは、閣僚会議において、新ラウンドを開始することが、難しくなっていることを物語っている。
 11月9〜13日のドーハでの閣僚会議までに、加盟国政府が宣言草案を検討するには、Harbinsonnが9月末には、最終草案を完成させなければならない。
 このような遅れは、シアトル前の状況に似ている。この点について、記者からつつかれたWTOのスポークスマンのKeith Rockwellはコメントを拒否した。
 第4回WTO閣僚会議を成功させるためには、7月末までに、最終宣言草案がまとまっていなければならなかった。しかし、8月1ヶ月間の夏休みを取った後でも、なお加盟国142カ国の合意をとりつけることは、困難である。したがって、地域レベルの協議が盛んにおこなわらるだろう。

1)シンガポール会議

 ドーハ以前に、Harbinsonnの最終草案について、非公式の閣僚会議が、多分シンガポールで開かれるだろう。これは、暫定的に、10月半ばとされているが、上海で開かれるAPEC閣僚会議の結果にかかっている。 

2)APEC

 同じ頃、上海でAPEC閣僚会議が開かれ、ドーハWTO閣僚会議が議題として取り上げられる。
 
 これまで態度を明かにしてこなかったスイスが米国とEUに同調して、新ラウンドの開始を支持した。
 途上国は、大多数が、これまでの問題の解決のメドか立っていない以上、新ラウンドには積極的ではない。
 最貧国は、これまでのウルグアイ協定(1986〜1994)の実施、とくに彼らが関心を持っている農業と繊維部門についての合意を要求している。

3)プンタデエステ

 農産物輸出国18カ国よりなるCAIRNSグループは、9月始め、ウルグアイのプンタデエステで会議を開き、共同の貿易政策について議論する。

4)OAU

 アフリカ統一機構(OAU)は、9月末、ナイジェリアのアブジャで貿易相会議を開く。

5)EU

 EUのGeneral Affairs Council(理事会)は、10月の第1週に会議を開き、ドーハ問題について協議する。
 これら一連の地域会議は、シアトルの二の舞を避けようとするものであると、Rockwellスポークスマンは語った。