世界の底流  
80年代以来の大規模なノルウエイのスト

2012年8月18日
北沢洋子

  ノルウエイでは、政府の年金切り下げや労働法の改悪に反対し、賃上げを要求して、労働者のストが続いている。これは80年代以来の規模である。
まず、中央官庁と地方政府の公務員労組LOが、5月24日にストを始めた。ストは2週間続いたが、政府側が交渉に応じる姿勢を見せたので、今後の交渉に期待して、6月8日、ストを中止した。
  しかし、その後も、官公労のなかでも戦闘的な空港の管制官のストは長引き、その結果、ノルウエイの空の便は大幅に遅れた。また教師や看護師を組織しているUNIOは、官公労と同じく5月24日からストを始めたが、6月6日、さらに闘争をエスカレートさせた。彼らのストで、学校や保育所、官庁が閉鎖になった。地方公務員のなかで、とりわけ戦闘的なごみ収集員もまた、6月8日以後もストを続けた。
  官公労の賃上げ要求は4.15%だったが、政府の回答は3.75%であった。実際には、この2つの提案は、財政に大きく影響するものではない。国家の財政予算の1000分の1に過ぎない。したがって、「赤と緑の政権(労働党、緑の党など中道左派の政党の連立内閣)」は4.1%の賃上げを提案した。地方政府の労組の中のオスロ支部は、ストをしなかった。その代わり、スト中の労組の成果に準ずる回答を要求している。
  ノルウエイの労働者のストの中で、もっとも戦闘的なのは、国営石油ガス会社の労働者である。彼らもまた、ストを続行している。このストにより、国債石油価格は100ドルに達した。