世界の底流  
オバマ政権の反テロ・シャドー戦争

2010年8月30日
北沢洋子

1.なぜ「シャドー(見えない)」戦争か

  今日、オバマ政権は、アフガニスタンとイラクでの2大戦争の泥沼化に悩まされている。、緒戦では、米軍はめざましい戦果を挙げた。アフガニスタンのタリバン政権とイラクのフセイン政権を打倒することは出来た。しかし、その後、占領は長引き、今ではイスラム世界の過激化の触媒になっている。しかも、国内では、議会も、世論も、天井知らずに膨れ上がる軍事費にうんざりし、厭戦気分が蔓延している。
  「テロとの戦い」を掲げるオバマ政権は、アルカイダなどの過激派の殲滅を目指して、アフガニスタンとイラク以外の国や地域に戦線を拡大している。その戦線は北アフリカのマグレブから、アフリカの角、アラビア半島、パキスタンの山岳地帯、さらに旧ソ連の共和国など広大な地域に及んでいる。また、オサマ・ビンラディンのアルカイダと全く関係のないイエメンの社会主義党、フィリピンやコロンビアの左翼ゲリラ、レバノンのシーア派民兵、マリやニジェールの部族反乱なども「反テロ戦争」のカテゴリーに入れている。
  米軍は、すでに、これらの国々に、かなりの数の軍隊を駐留させている。そして、パキスタンではCIAの無人機でタリバンに対するミサイル攻撃を激化し、ソマリアのシャバブに対する攻撃を承認し、ケニアからの秘密作戦を開始した。
  オバマ政権は、北アフリカ・マグレブのアルカイダ殲滅のために、ヨーロッパの同盟国の手を借りている。最近のフランスのアルジェリア攻撃もその一例である。また米軍は、民間会社の情報ネットワークを活用して、パキスタンの過激派の居場所を探り当てたり、タリバンに捕虜になった米軍兵士の居場所を突き止めたりしている。
  このような「見えない戦争(Stealth War)」を始めたのは、ブッシュ政権時代であった。しかし、オバマ大統領は、政権当初の「イラク戦争に反対」し、「反テロ戦争に集中する」という立場をとった。この「反テロ戦争」では、オバマは「見えない戦争」戦略を採択し、これをエスカレートさせた。
  アフガニスタンへの米軍増派は、何ヵ月もの間、大きな論議を呼んだことに比べて、これら「見えない戦争」は、決して公に議論されたことはない。たとえば米軍のイエメンでの「無人機爆撃作戦」などついて、国防総省は決して認めていない。オバマ政権は、反テロ戦争を「見えなく」して置くことにメリットを見つけ出している。

2.秘密(シャドー)作戦の危うさ

  このような例はイエメンにとどまらない。これはオバマ政権が、各地で展開している反テロ戦争の氷山の一角にすぎない。オバマ大統領の「反テロ戦争」戦略の最高顧問であるブレナン(John O. Brennan)は、このような「見えない戦争」について「米軍はハンマーの代わりにメスを使っている」と語った。
  しかし、この種の作戦には大きなリスクを伴う。下手な作戦が、地元住民の反米感情に火を注ぐことになる。ジュネーブ条約で禁じられている捕虜の尋問では、兵士とスパイの区別は付かないので、にせ情報が多く、しばしば米軍を危険に晒すことになる。米軍の秘密作戦は、本国の議会やマスメディアの目が届かないので、不祥事件は見過ごされる。そして、独裁政権に依存しなければならず、米軍はしばしば裏切られる。

3.ペンタゴンのCIA化

  オバマ政権は、CIAに、スパイ機関であると同時に、準軍事組織に転換することを要求している。CIAは、パキスタンの山中で、本来、アルカイダのリーダーに特定した無人機による攻撃を、今では、定期的に敵の家屋やトラックをターゲットにしている。このことは、ペンタゴンのCIA化だとも言えよう。
  中東地域では、特殊部隊が、特殊命令によりスパイ活動をしている。本来、これはシビリアンであるCIAの任務であった。米国の反テロ作戦が、戦場ゾーンを超えて、米軍に対して敵対的な地域に拡大していくのにつれて、民間会社が主要な役割を果たすようになった。これは、軍の最も重要な作戦を、説明責任のない民間企業に下請けをしているなどと危惧する声が高まっている。これは、冷戦時代、米国が、ソ連の代理と見なした国、例えばニカラグアの左翼政権に対するCIAの秘密作戦(コントラ)を展開するときに使った手であった。
  この戦略は、ワシントンの政治風景を一変させた。共和党議員たちがオバマの「反テロ作戦」を支持する一方、多くの民主党議員たちはブッシュ時代に始まった長引く、高価な戦争から一刻も早く抜け出したいと願っている。
  またこの戦略は、古い軍人や情報部員を驚かせているようだ。80年代、ソ連のアフガニスタン侵攻に対して、秘密作戦を指揮したことのあるCIAのJack Devine元最高秘密作戦部長は、自分自身の経験から、「このような戦略は報われない」と言った。彼は、昔多くの暗殺計画に手を染め、さらにイランの武器を密売して、その資金をニカラグアの反政府ゲリラに流した「イラン・コントラ」事件の中心人物だった。彼は、米議会の公聴会や調査委員会に呼び出され、「イラン・コントラ事件について証言させられた。彼の証言が、CIAの衰退の引き金となった、と言われる。
  Devineは、「以後、議会によって、このような秘密作戦には一定のルールが定められた。しかし、今日、新しい戦略が始まっているが、これにはルールがないので危険だ」と語った。オバマ政権側は、この種の反テロ戦争を擁護し、「イエメンでの作戦では民間人の犠牲者の数は少ないし、精度を向上させるには時間がかかる。しかし、確実にアルカイダの情報を手に入れていた」と言う。そして、「パキスタンでは無人機による作戦は大きな戦果を挙げている」と強く主張している。

4.イエメンの「反テロ」作戦

  国土がほとんど砂漠という貧しいイエメンは、パキスタンに次いで、アルカイダの活動拠点になる、と米軍は見ている。イエメンは米国にとって、最重要戦闘地域になる。
  そのイエメンで、今年5月25日に起こったことは、オバマの「見えない」戦争の代表的な例であろう。伝説のシバの女王の生誕地とされるマリブ州の砂漠の中に潜んでいたアルカイダと見なされるグループを、無人機による空爆で殲滅した、ということであった。
  しかし、この作戦は、地元住民による石油パイプライン破壊という報復を受けたばかりでなく、「アラビア半島のアルカイダ」による格好の宣伝の道具となった。
  それ以上に、結果は大変なことになっていた。この空爆の犠牲者の中に、この地方の人びとに尊敬されていたジャビル・アル・シャブワニ(Jabir al-Shabwani)マリブ州副知事がいたことが判った。彼はアルカイダ・グループに戦うことをあきらめるように、説得をしていた最中だった。
  イエメンのサレ大統領は、誤りを認め、犠牲者たちに賠償金を支払った。しかし、空爆を行なったのは、サレ大統領が持っているソ連製の旧式のミグ空軍機ではなかった。それは、米軍の無人機による秘密作戦であった。このような攻撃は、昨年12月以来、すでに4回も行われていた。国防総省は、イエメンの戦費が2006年に460万ドルであったのが、2009年には6,700万ドルに跳ね上がったと発表した。これには、秘密作戦の費用は含まれていない。
  しかも、2009年12月30日付けのロシアの『Novosti』通信によれば、米国は、イエメン政府との新しい「秘密協力協定」にもとづいて、無人空爆機に加えて「新たに、巡航ミサイル、ジェット戦闘機をターゲットに向けて使う」と報道した。
  なぜシャブワニ副知事は殺されたのだろうか。彼は、オレンジの木がまばらに生えているだけの無法地帯Wadi Abeedaに潜んでいた「アルカイダ・イエメン支部」に会いに行こうとしていた。これはイエメン当局と米軍との間の意思疎通が欠けていたことを示すものである。米軍は、「この事件に対して、サレ大統領は非常に怒ったが、米軍を追い出すようなことはしないだろう」と高をくくっている。
  空爆にもかかわらず、「アラビア半島のアルカイダ」は生き残り、弱体化したという兆しは全くない。逆に、アルカイダはゲリラ攻撃をエスカレートしている。8月に入っても、イエメン軍用車が数回、攻撃を受けた。さらに、アルカイダのイエメン支部は、英語のブレティンをウェッブサイトに載せ始めた。そこには、爆弾の完全な製造方法が載っている。情報筋によると、最近、米国のノースカロライナからイエメンにやってきたSamir Khan(24歳)が、ウェッブサイトを立ち上げを手伝っていると見られている。
  米軍は「無人機爆撃」によって、米兵を犠牲にしないで、テロを殲滅できるだろうか。
  あるいは、アルカイダは米軍の侵略に対する英雄だと称えられ、新たなゲリラ戦士をリクルートすることになるのだろうか。
  答えは、後者である。アルカイダは、米軍の無人機の誤爆を最大限に宣伝している。イエメンに潜んでいる米国生まれのAnwar al-Awlaki師は、アルカイダの最も優秀なイデオローグであるが「ブッシュがアフガニスタンとイラクの囚われびととして名を残すとしたら、オバマはイエメンの囚人として名を歴史に残すだろう」というメッセージをウェッブサイトに載せている。
  米国は、「イエメンのアルカイダがソマリアの反政府ゲリラに武器を提供している」、これと引き換えに「ソマリアはイエメンに戦士を派遣している」と非難している。
  ブラウン英首相は、今年1月3日付けの『BBC』放送のインタービュで、「アルカイダがパキスタンから追い出されたので、イエメンとソマリアに逃げ込んだ」と語った。
  ところが、イエメンの反政府ゲリラは、「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」ではないと言う説もある。2010年1月4日付けの『CNN』放送によれば、「北部のHouthi族と南部の部族地帯の分離主義運動だ」と放送している。
  Houthiはイスラム教シーア派に属する。また南部の反政府ゲリラは「イエメン社会主義党」である。つまり彼らは「アルカイダ」とは関係がない。
  今年1月、米国、英国、フランスはイエメンの大使館を閉鎖した。かわりに、サウジアラビアが、イエメン北部に対する空爆、国境付近での地上戦などを開始した。

5.ソマリアの「反テロ」代理戦争−エチオピア、そしてウガンダ

  長い間、ソマリアは軍閥が割拠する無政府状態にあった。OOOO年、米軍は海兵隊を送り込み、ソマリアを占領しようとしたが、軍閥の兵士によって米兵の死体が首都モガデシオ市内を引き回されると言う事件が起こった。海兵隊は大勢のジャーナリストを引き連れていたので、この残虐な映像は、リアルタイムで米国に報道され、世論の憤激をかった。以後、米軍の地上部隊による介入の道は閉ざされた。 
  その後、ソマリアでは、アフガニスタンのタリバンに似た「イスラム法廷連合」というグループが台頭した。これは、モガデシオをはじめ、ほぼ全土を掌握した。米国は、「イスラム法廷連合」が、ケニア、タンザニアの米大使館を爆破攻撃したイスラム過激派を匿っていると非難した。そして米国は、エリトリアがソマリアのアル・シャバブを支援していると非難した。
  そこで米国は、アフリカの中で最も親米で、米国の援助では第2位だった隣国エチオピアの軍隊を使った。米軍は、エチオピア軍と「合同特別作戦本部」を設け、作戦を指揮した。その時の米軍の司令官は、のちオバマによってアフガニスタンの司令官に任命され、今年解任されたマクリスタル将軍であった。エチオピアには、米軍の軍人が駐留し、米軍が武器などを提供した。
  2006年12月、エチオピア軍はソマリアに侵入し、またたく間にモガデシオを占領した。しかし、持ちこたえることが出来ず、2009年1月に撤退した。
  米国は、今度は、国連を使った。2005年、国連は、「アフリカ連合(AU)」を通じて、ソマリア、ジブチ、エチオピア、ケニア、スーダン、ウガンダの6カ国よりなる「ソマリア開発・平和支援政府間機関(IGASOM)」を設立した。そしてIGASOMは、8,000人の軍隊をソマリアに派遣することを決定した。しかし、AU加盟53カ国の中で、IGASOMに軍隊を派遣したのは、ウガンダとブルンディの2カ国にとどまった。それ以外の国は、「イスラム法廷連合」、後に「アル・シャバブ」に改名したソマリアのイスラム勢力と戦うことを嫌がっている。
  国連は、ケニア北部のOOに「ソマリア臨時連邦政府(TFG)」を設立した。2007年1月19日、AUは「アフリカ連合ソマリア・ミッション(AMISOM)」を送ることを決定した。AMISOM はIGASCOMを改名したものである。その後3年半にもなるが、AMISOMは、ウガンダとブルンディが派遣した6,000人にとどまっている。
  2010年7月27日、ウガンダの首都カンパラで開かれた第15回AUサミットは、ソマリアのTFGを支援するために、さらに2,000人の増派を決定した。これは、ジブチとギニアから派兵することになっているが、これには多くの問題がある。結局、今回もまた、親米派のウガンダとブルンディが軍隊を送ることになるだろう。
  米国とNATOの同盟国は、もう一度、地上軍によるソマリア軍事侵攻を企んでいる。この場合、西側から軍事訓練を受けたウガンダ軍が候補になっている。またこれは、AMISOMが平和維持活動から平和強制戦争に転換することになる。
  今年7月のAUサミットに出席したアフリカ担当のカーソン米国務次官は、ソマリア、ケニア、タンザニア、ジブチ、ウガンダの5人の大統領を集めて、AUに対して、アル・シャバブの脅威を理由に、ソマリアへの軍事介入をさらにエスカレートするよう要請した。
  7月26日付けの『ボイス・オブ・アメリカ放送』は、この会合では、「米国、EU、国連がAUのAMISON平和維持軍を財政的にバックアップすると約束した」と報道した。
  AUのBing wa Mutharika議長(マラウイ大統領)は、「AMISONのマンデートを、これまで首都モガディシオの防衛に限定されていたのを、全土に拡大すること」を、提案したが、その場合、「米国、英国、フランスが、攻撃用ヘリを援助すると言った」と語った。  
  今年7月、ARICOMの空軍に所属し、ドイツのRamstein軍事空港に本部を置く第17米空軍部隊の司令官Michael Callan准将が、ウガンダのエンテベ空港内の空軍基地を訪問し、ウガンダ空軍の育成について協議した。
  最近、ウガンダの首都カンパラで起こった2つの同時爆弾事件は、以上のようなウガンダの突出した役割に対するアル・シャバブの警告だったと言う。
  2010年7月19日付けの 「イースト・アフリカ・ニュース」によれば、ウガンダがソマリアに軍事侵攻する場合には、ブルンディ、コモロ、ジブチ、エチオピア、ケニア、ルワンダ、スーダン、セイシェルズ、ソマリア、ウガンダより成る「東アフリカ待機旅団」が“ソフトな支援”をすると報道している。
  ウガンダは、国連安保理の決議があった場合と、ない場合の2つの可能性を探っている、と言われる。ウガンダのムセベニ大統領は、ソマリアに全面的に侵攻する場合、20,000人の軍隊が必要だと、語った。つまり、ウガンダ1国だけで、ソマリア侵攻が可能だと言うのだ。
  モガディシオにある「エルマン平和・人権組織」によれば、先の2年あまりの20,000人のエチオピア軍の侵略によって、「16,000人の民間人が死亡し、何十万もの人がモガディシオを追われた」と言っている。
  AMISOMに与えられたマンデートの中に、ソマリアに隣接するジブチ、エチオピア、ケニアの国境を地上で越えてはならないことになっている。そのため、ウガンダ軍は米国の「米アフリカ司令部(AFRICOM)」やNATO軍に、モガディシオのアル・シャバブが支配していない地区に空輸してもらわねばならない。
  これまでのことは、米国が、直接地上軍を送るのではなく、エチオピア、ウガンダなどの親米派を使って、軍事介入をさせている。勿論、米地上部隊の死者はいない。
  だが、一方では、ソマリア沖の海賊騒ぎを利用して、米国、NATO、EUの軍艦が、「大洋の盾」作戦と「アトランタ」作戦と言う名の合同作戦を展開している。今年3月、これは、2012年12月まで延長になった。またNATOの要請でオランダが潜水艦を派遣した。
  これは、ソマリア沖にとどまらず、地中海から紅海、アデン湾、アラビア海、ペルシャ湾に及ぶ広大な海域を監視し、防衛する任務を持っている。これらの海軍の根拠地は、ソマリアの北のジブチのCamp Lemonnier港である。ここに、米国は2,500人、元植民地宗主国フランスは3,000人、英国、ドイツ、オランダはそれぞれ数百人の軍隊を駐留させている。
  米軍は、ジブチに加えて、インド洋に浮かぶセイシェル諸島を新型の無人機Reaper(死神)の恒久の出撃拠点にしようとしている。すでに、今年1月、75人の米軍の専門家がセイシェルを訪問した。本格的な基地が完成し、Reaper による空爆作戦が可能になるのは、今年10〜11月ごろになるだろう。Reaper はこれまでのPredator無人機よりも15倍もの砲撃を積むことができ、3倍の速度で飛行することが出来る。
  ソマリアでも、イエメンと同じく、米軍の「反テロ」作戦は、エスカレートしている。昨年9月、米軍はソマリアのアルカイダのリーダーを殺したと発表した。米国はジブチの空軍基地からイエメンとソマリアに対する無人爆撃機を発射している。
  現在、米軍は、ソマリア生まれのイスラム過激派「アル・シャバブ(Al Shabaab)」の指導者の殲滅を狙っている。
  2009年12月16日付けの米軍紙「Star & Stripes」によれば、「数ヵ月前、米海兵隊は、白昼、ソマリア南部深く進攻した」、その後「米軍はAFRICOMの下に、1,000人規模の緊急派遣が可能な海兵隊を配置した」と報道した。同時に米海兵隊は、ウガンダとマリで軍隊の訓練をしている。

6.「反テロ」戦争の世界地図

マグレブ
米国は、フランス軍がアルジェリアとモロッコのイスラム原理主義者に対する空爆に協力した。また米軍自身は、2005年以来、反テロ作戦を行なう現地軍隊の訓練を始めた。

レバノン
ヒズボラはレバノン南部のシーア派住民に基盤をもつ。シリアと同盟関係にあり、さらにイランから援助を受けている。
ヒズボラはレバノンで最も強い軍隊である。またレバノン北部のスンニー派の戦士がいる。2007年、北部では、レバノン軍がアルカイダと戦った。

サウジアラビア
昨年9月、ペトラウス司令官は、19カ国に上る国ぐにで軍事情報を収集することを許可する「秘密指令書」に署名した。そのなかにサウジアラビアも含まれていた。米軍はサウジアラビアの信頼性を疑っていると言う。

スーダン
米軍は、スーダンのイスラム過激派の動きをチェックしている。なぜなら、スーダンは、かつてオサマ・ビンラディンが潜んでいた国である。ゲイツ国防長官は、最近、「スーダンが、再び、アルカイダのホットベッドになる可能性がある」と語った。

ケニア
ソマリアのアル・シャバブは、国境越しにケニアに侵入している。米軍は「アル・シャバブがケニアに浸透するのではないか」と危惧している。最近、米軍は、ケニアでの反テロ作戦を開始した、と言われる。

イラン
米国はシリアやレバノンなど中東におけるイランの影響力を弱める工作をしている。またイラン国内では、CIAがイランの核開発を阻止する妨害活動を行なっている。

タジキスタン
昨年9月、ペトラウス司令官は、タジキスタンでの情報収集活動を強化することを許可した。タジキスタンはアフガニスタンの北部と国境を接している、旧ソ連の共和国で内陸国である。

パキスタン
米国は、パキスタンの部族地域に対するCIAの無人機爆撃を強化している。ここでは、アルカイダ、パキスタンのタリバン、Haqqaniネットワークなどが潜んでいる。すでに過去数カ月間、CIAは10回以上、無人機でミサイル攻撃をしている。

イエメン
昨年12月、米軍は、イエメンでの砂漠の中に潜んでいるというアルカイダに対して無人機による空爆を繰り返した。米国は、昨年クリスマスにシカゴで逮捕された犯人がイエメン出身の男であったので、米国本土に対するアルカイダの次の攻撃基地がイエメンであると言っている。