世界の底流  
開発援助の効果向上についてのアクラ会議
2008年8月26日


 来る9月2〜4日、ガーナのアクラで、経済協力開発機構(OECD)は、第3回「開発援助の効果向上(Aid Effectiveness)についてのハイレベルフォーラム」を開催する。OECDは先進国30カ国が加盟し、本部はパリにある。
 問題は、援助の効率的な実施を阻んでいる要因をすべて援助受け入れ側の途上国政府の腐敗のせいにしている点である。この問題は、すでに2000年の国連「ミレニアム開発ゴール(MDG)」の採択の際にも、出ていた。さらに2002年3月、メキシコのモントレーで開催された国連開発金融会議でも、問題となった。これは、南北問題である。
 今年4月、パリのOECDで開かれた作業部会で、「アクラ行動アジェンダ(AAA)」が起草された。この草案について、NGOは大きな不満を抱いている。
開発援助の供与側、つまり先進国政府、IMF、世銀その他地域開発銀行などは常日頃、援助が非効率性を途上国の腐敗のせいにしてきた。
 これを受けて、途上国側は、ミレニアム・サミット以来、開発援助の実施に伴う腐敗を一掃するために大きな努力を注いできた。したがって、今度はドナーたちがこれら途上国政府の努力を無にしないようにするべきだ。パリの作業部会に出席したナイジェリア政府代表は、「先進国がそのコミットメントを行動に移すべきだ」と語った。
 AAA草案について、NGOは援助の「民主的オーナーシップと透明性の原則を明記すべき」だと言っている。またAAAの3つの優先事項、すなわち「条件」、「技術援助」、「ひも付き援助」について、NGOはもっと強い表現にすべきだと、要求している。
 たとえば援助供与に際して途上国に強制している「条件(構造調整プログラムのようなもの)」については、草案には「重複している条件を減らす」とあるだけで、これは「とジュ国政府の負担を軽減するものではない。むしろ劇的に条件を減らしていき、2010年には、もはや援助の付帯条件でなくなるようにすべきだ」と要求している。
 たとえば「ひも付き援助」問題がある。これは、100%ひもなし援助に転換すべきだとNGOはいう。そして、食糧援助や技術援助の分野でもひもなし援助を実施すべきだと要求している。
 ナイジェリアのケースでは、政府が過去10年間の開発援助の監査を行なった。そのとき、援助供与国政府に対して特定の援助事項の記録を問い合わせたところ、拒否された。つまり、大国でも政府は記録を保管していないことを発見した。
 アクラで採択されるAAAは、今後2年間の開発援助の指針となる。第4回は、2011年、北京で開催されることになっている。
 2005年3月、援助の効果向上について発表されたパリ宣言は、以後5年間の開発援助改革の指針となってきた。
 アクラのハイレベルフォーラムでは、市民社会組織(CSOs)による対抗フォーラムが開かれる。すでに80団体が、NGOとしてアクラフォーラムに登録している。また、2007年1月以来、国際CSOステアリング・グループ(ISG)が結成されている。
そのWeb Siteはhttp://www.betteraid.org/で、

ISGのメンバーは ActionAid International、Afrodad, American Council for Voluntary International Action (InterAction)、Arab NGO Network for Development (ANND)、 Association for Women's Rights in Development (AWID)、BOND (UK Aid Network)、 Canadian Council for International Cooperation (CCIC)、Caritas/Cordaid、CIVICUS、CONCORD (European NGO Confederation for Relief and Development)、 Eurodad、Ghana CSO Aid Effectiveness Forum、IBIS、IBON Foundation、IPS、 ITUC、LDC Watch、SEND (Social Enterprise Development Foundation of West Africa)、Reality of Aid、 Social Watch、Third World Network、Network Women in Development Europe (WIDE).などである。

CIVICUSの名誉代表で、World Alliance for Citizen ParticipationのKumi Naidooが代表である。