世界の底流  
第5回世界社会フォーラム(WSF)の新しい仕組み
2004年12月26日


 ムンバイ以後に開かれた国際評議会(IC)と新たに設けられた「方法論と内容のコミッション」で協議した結果、今後のWSFの持ち方を変えてみようということになった。
 2005年1月、ポルトアレグレで開かれる弟5回WSFでは、これまではWSFの催し物としては、90%を占めていた参加者自身によるワークショップ、セミナーなどを11のテーマのブロックに分ける。それぞれのテーマのブロックは「分野(日本流に言えば分科会)」と呼ばれる「スペース(会場)」を持つ。この11のスペースは毎日同時並行の形で進行することになった。

11のブロックとは;

1) 多国籍企業による商品化と支配に対するオルタナティブとして、地球と人々の公共資産の保証と擁護
2)
芸術と創造性;人々の抵抗の文化をつくる
3) 通信;ヘゲモニー的な活動に抵抗する権利とオルタナティブ
4) 多様性、複数性、アイデンティティを守る
5) 正義と平等に基づいた人権と尊厳
6) ネオリベラルなし本主義にたいする人々の経済主権
7) 倫理、宇宙観、精神性―新しい世界のための抵抗と挑戦
8) ネオーリベラルな支配にたいする社会闘争と民主的なオルタナティブ
9) 平和、非軍事化、戦争、自由貿易、債務に対する闘争
10) 自立的に考え、知識と技術を乗っ取り、社会化する
11) 国際的な民主的秩序と人々の統合に向かう

このように11のテーマ別分野を設けた理由は、(1)ネオリベラルなぐローバリゼーションの対する抵抗運動をより見えるものにするために議論を闘争の方法論に近づける。(2)もう1つの可能で必要な世界の構築に向けて、運動やキャンペーンのコンバージェンス(収斂)を促進し、強化することに役立てる、ことにある。

 11のテーマ別の分野には、テントが設けられる。この中に、ビルボードとよばれる掲示板が立てられる。それぞれの分野の中のワークショップ、セミナー、パネル、会議などで議論された中身を、(1)60字以内で提案の表題、(2)300字以内で行動の目標、(3)300字以内で行動の形式、(4)行動または活動の国内または国際レベル、(5)1つないし2つのキイワード、(6)300字以内で提案する組織の紹介、(7)300字以内で、これに賛同する可能性のある組織の紹介、(8)104字以内で提案が採択されたワークショップ名、などを書く。
 ビルボードに書かれた内容を、ボランティアが要約して、テントの前に張り出す。そのことによって、参加者は前日に議論された内容をしることが出来る。

このように、テーマ別の分野をつくることは、一方では、議論が拡散する危険がある。そのために、4つの共通軸を設けた。

(1) 社会解放と闘争の政治的側面
(2) 資本主義と家父長主義にたいする闘争
(3) 多様性とジェンダー
(4) 人種差別主義に対する闘争

 ポルトアレグレでは、WSFの期間中、毎日「自由貿易」とくに「FTAA」に反対する大規模なデモが企画されている。また20,000人規模の青年のフォーラムが企画されている。
 
 なお、先日、お知らせした国連改革についてパドア国際セミナーのWorking Documentについての会議は、WSFの弟11分野で、1月28日午前と午後の2回にわたってセミナー形式で、さらに29日にはパネル形式で開かれる。

WSFのアドレスは;

World Social Forum Office in Sao Paulo:
rua General Jardim, 660 - 8th floor --Sao Paulo -- SP-- Brazil Postal code: 01223-010
Website: www.worldsocialforum.org

World Social Forum Office in Porto Alegre:
Av. Presidente Joao Goulart, 551, 4 andar, sala 402 - Usina do Gas Metro, Porto Alegre - RS, Brasil Cep: 90010-120- Brasil
E-mail: fsmpoa@forumsocialmundial.org.br