世界の底流  
バルセロナEUサミットの前夜に10万人の抗議デモ
2002年3月15日
 スペインのバルセロナで、3月14日、EUサミットの前夜に、10万人が抗議デモを行った。このデモは、15カ国の労働組合が参加しているヨーロッパ労働総同盟が呼び掛けたもので、共通のスローガン「社会的ヨーロッパを」の下に、完全雇用、ジェンダー平等、社会的権利を要求した。このデモに50の政党、労組、市民団体が参加しているバルセロナ社会フォーラムのメンバー数千人が参加した。また、バルセロナの警官1,000人が、州の公務員と同一賃金を求めて、独自のデモを行った。バルセロナの警官の賃金は、たの公務員に比較して、20%低い。
 バルセロナ市の中心街から蛇行デモの形で始まった。デモの中核は、スペインとフランスの左翼労組で、彼らの赤旗が圧倒的な勢力を占めた。スペイン労組のスポークスパーソンは、「このデモはヨーロッパの社会運動の統一を表すものだ」と語った。
 デモ隊の怒りの対象は、同じ日、イタリアのベルルスコーニ首相が「企業が労働者を解雇し易くする法案」を提出したことに向けられた。そのベルルスコーニ首相は、バルセロナのデモを「職業的Globetrotters(グローバルなデモ屋)」と罵った。
 バルセロナ市内には、8,500人の警官が、EUサミットの会場、首脳たちのホテルなどの警備に当たった。
 3月16日、土曜日にも大規模なデモが計画されている。これに備えて、フランスとの国境、国内の空港などではパスポートのコントロールが厳しくなっている。