世界の底流  
ベルギー政府がルムンバ暗殺に謝罪
2003年4月
 1961年2月、ベルギー領植民地から独立したコンゴの初代首相であったパトリス・ルムンバが、チョンベが支配していたカタンガ州で暗殺された。実際にルムンバを逮捕、処刑に手を下したのは、当時カタンガの鉱山会社ユニオン・ミニエール社の権益を守っていたベルギー軍であった。

 それから40年後の2001年11月、ベルギー議会では、ルムンバの死の真相究明がなされ、その調査報告書が発表された。これは議会によって任命された「真相調査委員会」が2年の歳月をかけて作成した。この報告書ではベルギー政府はルムンバの死に「道義的責任がある」と規定された。

 今年2月6日、議会でのこの報告書をめぐる討論の際、Louis Michel外相は、ベルギー政府に代わって、ルムンバ暗殺におけるベルギーの役割について「故ルムンバ氏の遺族とコンゴ国民に対して、深く、かつ心から遺憾の意を表明する(Profound and Sincere Regrets)」と謝罪した。実際の暗殺については、ベルギー政府の役人と軍がルムンバの死と死に至った経緯に関与した」ことを認めた。

 ベルギー政府は、「パトリック・ルムンバ財団」に300万ドルと、毎年助成金として43万ドルを拠出することになった。この財団はコンゴ政府の下に置かれ、紛争予防、その研究賞授与に使われる。ルムンバの遺族はこの財団に参加する。