DebtNet通信
(vol.10 #5)
 
アフリカは北に毎年590億ドルを支払っている
2015年5月20日
北沢洋子

 このほど、ロンドンにある「ジュビリー債務キャンペーン(JDC)」は、アフリカのNGOと協力して、「アフリカは、アフリカを除いた世界に、毎年1920億ドルを支払っている」というタイトルで、研究結果を発表した。これは、アフリカが毎年、受け取っている“援助”の6.5倍にあたる。
 この研究は、広範な領域、すまわち、不正な金融取引、多国籍企業が本国に送金した利潤(これは、英国の法制度のもとにあるタックス・ヘブンを通じて)、債務返済、技術者の頭脳流出、不法な森林伐採や漁業、気候変動に伴う災害などに及んだアフリカの全損害を調査したものである。
 これは、援助と資源収奪との間のギャップがいかに大きいかということを示している。例えば、100ポンドの援助に対して、アフリカは640ポンド支払っていることになる。アフリカは、受け取った額を差し引くと、580億ドルを支払っている。
 英国政府は、これまでの“恵み深き”援助なるものを再検討する必要がある。なぜなら、このような表現は事実を全く捻じ曲げてきたからである。英国はアフリカの貧困に責任があることを認識すべきである。
 この研究は、「援助」や「慈善」についてのこれまでの誤解を明らかにした。
 アフリカとその他の世界との間の不平等を追及することは、債務依存の根源、歴年の財政赤字、その他、アフリカが収奪されている損害を明らかにすることになる。