DebtNet通信 (vol.6 #6)  
「ベネズエラがIMFと世銀から脱退宣言」
2007年5月7日


 4月30日、ボリビア、ニカラグア、キューバ、ハイチの首脳たちが集まった会合で、ベネズエラのチャベス大統領は、IMF と世銀から脱退すると宣言した。
 チャベス大統領は「ベネズエラは両国際金融機関に債務を返済したからだ。今度は彼らが我々に借りているものを返すべきだ」とのべた。これはベネズエラがこれまで両機関に払ってきた年会費のことを指している。
 最近ベネズエラは世銀に5年の前倒しで債務を返済した。IMFに対しては、1999年、チャベスが最初に大統領に就任したとき返済している。昨年、IMFはベネズエラの事務所を閉鎖した。
米国のメディアはこれをチャベス大統領とブッシュ大統領のもう1つの対決だと観ているが、途上国では、そうでないようだ。
 途上国では、IMFと世銀の威力は著しく後退している。その正当性を失っている。
 すでにエクアドルのコレア大統領は、世銀代表を国外に追放した。そして、エクアドルはすでに債務を返済していると述べた。
 チャベス大統領は、IMFや世銀に代わるものとして、「南の銀行(Banco de Sur)」の設立を提案している。これとは別に、4月29日、チャベス大統領は新しい地域協力基金として2億5000万ドルを寄付することを提案した。
 チャベスにとって、1989年、IMFの緊縮政策によってカラカスで起こった暴動は忘れがたい記憶になっている。これは「カラカソ」と呼ばれ、貧しい人びとがガソリンの高騰により交通費が値上がりしたことに抗議したものであった。このとき、少なくとも300人が犠牲になった。