DebtNet通信 (vol.6 #2)  
「ザンビアが「はげたかファンド」に襲われる」
2007年2月18日

 英国のJubilee Debt Campaignよりのメールで、ザンビアが「はげたかファンド」に襲われたので、国際的抗議の署名をして欲しいとの呼びかけがありました。
  「はげたかファンド」は、以前2000年にペルーを襲い、DebtNet 通信でもお知らせしました。通常、巨額の対外債務が不良債権化している国から債務を超安価に買い叩いた後、通常なぜかベルギーのブルッセルの法廷に提訴して、買った政府から全額を回収する。こうして、債務に苦しめられている貧しい国を相手にして、莫大な利益を得るというまさに「はげたか」ファンドである。
  今回は、「Donegal International(Michael Sheehanが代表)」というプライベートな「はげたかファンド」が、1999年にザンビア政府が債務救済について債権国と再交渉しているときに、同政府から債務を330万ドルにまで叩いて購入した。
 その後、ザンビアは、残りの債務について、IMF、世銀の新しい救済措置によって100%の帳消しを得た。そうしたら、Donegal は、ザンビア政府に対して、「元の値段とその後の利子とその間の費用を足した5,500万ドルを支払え」という訴えをロンドンの裁判所に提訴したのであった。
 さる2月17日、ロンドンの高等法廷は「Donegalの要求は合法である」との判決を下した。しかし、現状では、原告の言い分には問題があるとして、正値の5,500万ドルを減額して、ザンビア政府に1,500万ドルを支払うように命じた。確かに、はげたかファンドの行為は現行法では非合法ではない。しかし、Donegalは1日当り1ドルという貧しい人びとが多いザンビアから、投資した資金の5倍の利益を得ることになる。これは同義的に言って許されることではない。
 ザンビアにとって、1,500万ドルは、丁度、今年債務帳消しによって浮く資金の半額に相当する。平均寿命が33歳、子どもの就学率が3分の1という貧しいザンビアにとって、1,500万ドルは医療、教育、インフラに投じなければならない資金である。Donegal はこれを奪ってはならない。
Donegalへの抗議文の署名は;
www.jubileedebtcampaign.org.uk/vulturesに。