DebtNet通信 (vol.5 #8)  
「ケニアがドッグフードの援助を拒否」
2006年2月8日

 1月31日、英国のテレビBBCは「ケニア政府がニュージーランドのドッグフード製造会社がドッグフードを食糧援助するという申し出でに怒っている」と放送した。
 ケニア北部はうち続く旱魃で400万人が飢餓にさらされている。これに対して、ニュージーランドのドッグフード製造会社が「Mighty Mix」という商標の犬用ビスケットを飢えにひんしている子どもに援助しようと申し入れをした。
 会社の創設者でもあり、社長でもあるクリスチーヌ・デュラモンドはBBCのインタビューに対して、「会社が申し出ている栄養剤はドッグフードではない。これは栄養たっぷりの食べ物で“美味しい”」と答えた。しかしケニアの災害担当大臣のジョン・ムニェスはAFP通信に対して、「彼女の申し出は“まずい”」と述べた。
 ケニア政府のスポークスマンであるアルフレド・ムツアは『デイリー・ネーション』紙に対して、「食糧援助には、一定の水準の品質でなければならない。ケニアの子どもはドッグフードを食べなければならないほど飢えていない」と語った。
 デュラモンド社長は、Mighty Mix犬用ビスケットはフリーズドライしたで、その原料である粉状の栄養剤で、1杯のティースプーンで1食分の栄養が摂取できるという。「私は緊急に栄養を必要としているケニアの子どものような特別の人びとのために特別に作った」と語った。自分自身もこの粉末を毎朝ポーリッジの中に入れて食べている、という。
 『デイリー・ネイション』紙によれば、最初、彼女は犬用ビスケットを送ろうとしたが、あまりにも多くの人びとが食糧援助を必要としているかを知って、粉末にした、という。しかし彼女は「これは間違いであった」「ただケニアの子どもを助けたかったのだ」と語っている。このほかに、彼女は42トンのとうもろこしを送るといっている。
 ケニアの医療サービス担当長官ジェイムズ・ニィカイル博士は、「ケニヤ政府はドッグフード用の食料を人間に食べさせることは出来ない」と語った。