DebtNet通信 (vol.5 #29)  
「アフガニスタンの債務帳消し」
2006年9月3日

 2006年7月19日、パリ・クラブは、ナポリ条項にもとづいて、アフガニスタンの債務(債務総額と利子)の67%の帳消しを決定した。金額にして16億ドルに上る。さらに8億ドルを23年間債務繰り延べにし、利子分100%をモラトリアムにした。その結果、アフガニスタンは2011年まで1セントも支払わなくてもよいことになった。
 これは、大変寛大な措置のように見えるが、そもそも、パリ・クラブが持っているアフガニスタンの総額113億ドルの債務の大部分は。ロシアが持っており、さらに債務が発生したのがソ連の占領時代であったことを考えると、債務の正当性が疑われる。
 
 パリ・クラブのプレスレリーズには、いつもドライでテクニカルなものだが、重要な問題を含んでいる。それは2006年1月31日、ドイツ、ロシアと米国政府がアフガニスタンについてのロンドン会議で、アフガニスタンがHIPCsイニシアティブを実施した場合、100%の債務帳消しを行うことを公約したのだが、今回の措置はそれに向けての第1歩であると述べている点である。

 これは、パリ・クラブが、IMF・世銀のHIPCsイニシアティブを条件にしていることを示している。