DebtNet通信 (vol.5 #18)  
「ボリビア新大統領がIDBの債務救済を要請」
2006年4月6日

 2006年4月3日の『BBCニュース』は、折から開かれていた米州開発銀行(IDB)の年次総会で、「ボリビアがIDBに対してボリビア及び他の中央アメリカ4カ国の債務の一部を帳消しにするよう要請した」と報じている。
 モラレス大統領は、IDBがボリビア、ハイチ、ホンデュラス、ガイアナ、ニカラグアの債務の中で35億ドルを帳消しにするよう申し入れた。
 しかし、ラテンアメリカのブラジルとメキシコという重要な2カ国が、IDB債務の削減については留保した。
 たとえば、ブラジルのPaulo Bernando計画大臣は、「ボリビアの提案は良く検討しなければならない」と言っている。「債務の救済条件について、誰が責任をとるかについて話し合わねばならない」と付け加えた。
 メキシコはボリビアの5カ国削減提案を支持したが、同国のFrancisco Gil蔵相は、「資金の調達について、メキシコは責任をとりたくない」と言っている。
IDBが抱える債務の中で、ボリビアの債務は最大であって、何と48%に上っている。
 IDBの年次総会では、インフラ、経済成長、地域統合などにおけるIDBの役割が議論された。「ブラジルなどにとっては、これらは重要な役割となる」とブラジル石油会社のPetrobrasのGabrieli社長は述べた。
 ボリビア、ホンデュラス、ニカラグアなどは、IMF・世銀の多国間債務の100%帳消しを受けたが、IDB債務については、見送られた。IDB加盟国の中で、2極分解しているようだ。