DebtNet通信 (vol.4 #9)  
ホンデュラス、ザンビア、ルアンダがHIPCsの「完了点」に
2005年5月7日

 4月、ワシントンで開かれたIMF、世銀の春季会議の直前に、HIPCsイニシアティブによってホンデュラス、ザンビア、ルアンダの3カ国が「完了点」に達したとして、債務帳消しを受けた。
 ザンビアとホンデュラスの2カ国に関しては、「決定点」に達してから以後、IMF、世銀によって「民営化」や公共部門への財政支出についての多くの条件をクリアすることを強制され、非常に時間がかかった。
 ホンデュラスについては、4月はじめに、10億ドル(Net Present Valueでは5億5600万ドル)、ザンビアは38億ドル(NPVでは25億ドル)、ルアンダは14億ドル(NPVでは4億5240万ドル)を帳消しになった。
 これはIMFと世銀のIDAの債務帳消しであった。同時にパリ・クラブの2国間、民間銀行の民間債務、他の地域開発銀行の債務の帳消しも行なわれることになっている。
 ルアンダとザンビアの2国間債務についてのパリ・クラブ会議は5月に開かれることになっている。ホンデュラスについては6月に予定されている。しかし、パリ・クラブの個々の国とはすでに交渉が始まっている。たとえばカナダのラルフ・グーデール財務相は、4月13日、カナダ独自の「債務イニシアティブ」に基づいて、ホンデュラス、ザンビア、ルアンダ3カ国合わせて5200万ドルの債務を帳消しにすると声明した。
 これら、国際金融機関のHIPCsイニシアティブによる重債務貧困国の債務帳消しについては、NGOは批判的である。いわゆる「拡大債務帳消し」は債務状況を少しも変えるものではないからである。第1に、これら「帳消し」分はすでに全く返済されていない。第2に、これまで完了点に達したとして、債務帳消しを受けた国は「債務の持続可能性」を保証されていない。第3に債務帳消しを受けても、「ミレニアム開発ゴール」を達成することが不可能だからである。
 ザンビアの場合、38億ドルの帳消し作業は、今後20年間にわたって行なわれる。その間ザンビアは借り続けなければならない。つまり、その間、債務返済は続くのであり、予算の大きな部分が債務返済に充てられることになる。
 今回の措置により、42カ国のHIPCsのうち、18家屋が完了点に達したことになる。それは、ベニン、ボリビア、ブリキナファッソ、エチオピア、ガーナ、ギアナ、ホンデュラス、マダガスカル、マリ、モーリタニア、モザンビーク、ニカラグア、ニジェール、ルアンダ、セネガル、タンザニア、ウガンダ、ザンビアである。

 2005年3月16日、モザンビークのマプトで、HIPCsのメンバー国が第11回会議を開催した。コミュニケのよると、彼らは拡大HIPCsイニシアティブの条件の緩和、国家財政や公共部門へのODAを増やすこと、独自の開発政策などを主張しており、ジュビリー・サウスの「債務の不払い」を要求していない。