DebtNet通信 (vol.4 #24)  
ノルウエイ政府が正当でない債務の帳消しを支持
2005年11月3日

 2005年10月28日、ノルウエイの新政府は、「Soria Moria 宣言」を発表した。その中で、同政府は貧困国の「正当でない(Illegitimate)債務の帳消し」と「それを審議する国連による国際法廷」の設立を支持した。
これは、債権国としては、初めての行動である。
 現在のノルウエイ政府は、労働党、左派社会党、センター党の3党の連立政権である。ノルウエイにこのような中道左派の多数派政権が誕生したのは20年振りのことである。
3党は、会合場所となったホテルの名をつけた「宣言」に合意した。
 今年9月末より3党は国家の政策を議論してきたのだが、この結果、合意した文書である。勿論、これは「宣言」であるので、これが政府の公式政策になるには、時間が必要である。そしてノルウエイは先進国の中では経済的には小国である。しかし、80年代のアパルトヘイト制裁問題でもカナダを加えた北欧3国のイニシアティブが米国を動かした、という実績がある。
 したがって、今回のノルウエイの正当でない債務の帳消しと国連による国際法廷の設立の提案は、国際政治を動かすであろう。