DebtNet通信 (vol.4 #16)  
ブラジルの債務
2005年6月29日

1.ブラジルの債務問題

 2005年4月6日、「公的債務、金融制度、利子政策を監視する議員連盟とその代表であるClair下院議員はブラジリアの連邦議会議長にたいして280人の上院、下院議員が署名した陳情書を提出した。同時に、キリスト教会、社会運動、ジュビリー・サウス・ブラジル・ネットワークなど100人もこの陳情に参加した。
 陳情書は1988年憲法に基づき、公的債務を監査汁ための上下議会からなる超党派の院内委員会の設立を要求するものであった。
 議長は、この院内委員会の設立に努力することを約束した。
 2004年会計年度では、810億R$(約300億米ドル)の貿易黒字を出した。これはGDPの4.6%にあたる。しかし、この額は債務を支払った1,283億R$(約480億ドル、GDPの7.3%)の63%に過ぎない。
 一方、公共部門の純債務は2003年の9,131億R$(3,382億米ドル)から2004年には、9,570億R$(約3,540億米ドル)に増加している。対外債務は、変動利子制度によって、また複利制度によって、急増したのだ。
これらのメカニズムはカルドソ前政権の8年間にブラジルが債権者に対して3,450億米ドルも支払ったせいである。一方、ブラジルの対外債務は1995年の1,480億ドルから、ルラ大統領が就任した2003年1月には2,110億ドルに増加した。
「もし、債務が年率6%の利子に抑えられていたら、ブラジルは1989年にすでに全額を支払い終えていたでしょう」、そして、「たぶん年間1,000億ドルの貿易黒字を記録していたでしょう」とClair議員は語った。