DebtNet通信 (vol.4 #13)  
G7蔵相債務帳消し合意に対するジュビリー・サウスなどの批判
2005年6月29日

 G7蔵相のJubil多国間債務の100%帳消しの合意を受けて、6月17日、Jubilee South、 AFRODAD、Kairos Canada、 Halifax Initiative Canada、 50 Years is Enough(USA)、 Jubilee USA、 Campagna per la Riforma de la Banca Mondiale(Italy)、 Comite pour l’Annulationa dela Dtte du Tiers Monde(CADTM)、 Slug (Norway)などが共同で以下のような声明を発表した。

 今回、発表されたG7蔵相による債務救済措置は、持続不可能な債務の重圧からの解放を意味しない。今回の措置は、低所得国61カ国の6000億ドルに上る債務の中で、わずか540億ドルを帳消しにしたことに過ぎない。これでは、ミレニアム開発ゴールの達成には、とくにサハラ以南のアフリカにおいては、100年かかるだろう。 
 現在、資金はむしろ南から北に流れている。たとえば、2002年、純フローで見ると950億ドルが南から北に流れた。
 我々は債務帳消しの真摯な努力を評価するものだが、現在までに、具体的なコミットメントはない。とくに「多国間債務の100%帳消し」は、非常に紛らわしい。
 我々はG8サミットに向けて各国が出している諸提案を検討した。

(1) 対象となる国の数は5〜27カ国と、非常に少ない。とくに重債務国が除外されている。
(2) 重要な債権機関である米州開銀、アジア開銀、IMFなどが除外されている。
(3) IMF、世銀による民営化、自由化、緊縮財政などいわゆるグッドガバナン
スなどの条件がついている。
(4) 非常に限られた国だけがあまりにも少ない資金供与を約束しただけである。
(5) 債務危機についての債権者の共同責任を拒否している。

市民社会は以下のことを要求する。

(1) すべての南の国の債務の帳消しを要求する。10年間、債務返済を免除するという
ことは受け入れがたい。なぜなら2015年には、貧困国の債務の70%が残ることになる。
(2) 帳消しによって浮いた資金を途上国政府が福祉に使うことを要求する。なぜなら債
務救済は多国間機関の準備金や北の政府の拠出金から賄われるからである。
(3) 帳消しは無条件でおこなわれねばならない。
(4) 「汚い債務」について、債権者は共同責任を認めねばならない。債務や金融にかん
する国際金融制度を基本的に改組する。債権者と債務国を平等の立場に置く。

2.ガイアナがIMFの金売却を支持

Jagdeo大統領は6月2日、多国間債務の帳消しのためにIMFの金を売却することを支持すると声明をだした。IMFの金売却に関するスタッフの報告を歓迎する。IMFの理事会がこれに合意することを願う。また7月のスコットランドでのG8サミットが前向きの決定をおこなうことを希望する、と語った。
ガイアナは金の輸出国であり、金輸出市場でのシェアは25%に達している。また重債務貧困国でもある。