DebtNet通信 (vol.4 #11)  
ウガンダの援助依存度
2005年5月15日

1)英国政府がウガンダへの援助金を凍結

4月29日付けの現地新聞『モニター・カンパラ』紙によると、英国政府は、さる3月以降に予定されていたウガンダへの援助金500万ポンド(約10億円)の支給を凍結しているという。その理由として、ウガンダ駐在の英国大使館のNikesh Mehta2等書記官によると、ウガンダ政府が約束した複数政党制という政治改革が実施されていないことを挙げている。これはウガンダ政府の「貧困根絶行動計画(PEAP、すなわち世銀のPRSP)」の内容に違反しているというものである。
Mehta氏によると次の援助金供与が予定されている9月以降も、再度検討するとしている。
英国以外の援助国は、英国のようにウガンダへの援助金の全面的な凍結をおこなうことはためらっているが、援助金の支給をミニマムな額にとどめている。
ウガンダは国家財政の52%を先進国からの援助金で賄っていることを考慮するとこれは由々しい事態である。

2)米国の選択的MCAについて
4月23日発行のロンドンの『エコノミスト』誌は、米国政府の選択的ODAスキームである「ミレニアム・チャレンジ基金(MCA)」について批判記事を載せた。
まず第1に、米国のMCAの支給は非常にスローである。たとえばMCAスキームが開始したのは2002年であるが、それ以来、このスキームに基づいてODAが贈与されたのはマダガスカル1国に過ぎない。
第2に、MCAスキームの援助対象国となるには、米国政府が規定する16項目の改革を実施しなければならない。これは世銀のエコノミストであるDavid Dollar とCraig Burnsideの調査に基づくもので、「援助は健全な経済政策を実施している国にのみ効果がある」という考えに基づいている。

3)国際金融機関(IFIs)は途上国の民主化を阻んでいる
Action Aid International、Bretton Woods Project、Development GAP、Christian Aid、One World Trust、AFRODAD、World Development Movementなどは共同で「IFIsが途上国の経済政策の決定事項に介入し、政府が議会のルールに従わないことを強制している」という内容の調査結果を発表した。
IFIsは貧困削減戦略ペーパーで謳われて事項や、参加型民主主義を標榜しているにも関わらず、またグッド・ガバナンスが成長と貧困削減への鍵であると言っているにもかかわらず、途上国での民主化を妨害している。
たとえばIFIsはガーナ、グルジア、マラウイなどで議会のルールを無視するよう強制したし、ウガンダでは議会の融資規定を無視することを政府に強制したし、ブラジルでは議会の審査を無視するように政府に強制した。