DebtNet通信 (vol.3 #33)  
債務監査についての国際ワークショップ
2004年11月29日


「債務監査についての国際ワークショップ決議」

2004年11月9〜11日、ブラジルの首都ブラジリアで、ブラジル、アルゼンチン、エクアドル、パラグアイ、コロンビアなど南米諸国のジュビリー・サウスの国内国際組織16団体が集まって「債務監査についての国際ワークショップ」を開催した。

南米諸国は、ボリビアを除いて、中所得国の範疇に入れられており、そのためIMF・世銀のHIPCsイニシアティブの対象になっていない。しかし、1980年代の債務危機以来、IMF・世銀の構造調整プログラムを押し付けられ、重債務に苦しめられてきた。

1998年にジュビリーの国際的なキャンペーンが始まると、とくに途上国では最大の債務国であるブラジルにおいて、債務の不法性を糾弾する運動が起こった。

すでに1998年には、債務返済拒否を求める住民投票が全国的に行われ、これに500万人の人が参加をして、支持の投票を行った。

労働党のルラ政権が誕生すると、政府に対して「対外債務に不法性についての監査」を要求する声が高まった。ブラジルのジュビリー・サウス組織や労働組合、カリタスなどカトリック団体、NGOなどが呼びかけて、債務の不法性についての監査を求める国際的なワークショップが開催されたのであった。

「債務は、不当であり、かつ不法である。

債務は、国の従属、軍事化、貧困化、格差の増大、暴力などをもたらしている。
債務は、米州自由貿易地域(FTAA)の結成、米国との2国間の自由貿易協定の締結、金融や資本の自由化といったネオリベラルな政策のテコとなっている。

したがって、債務の発生からはじまって、利子やこれまでの返済額、そして債務が及ぼしてきた社会や環境に及ぼした影響などについて、公的な監査をするべきである。これは政府の市民社会に対する責務である。

政府はその結果を踏まえて、債務の返済を拒否すべきである。」

などの内容を含んでいる。