DebtNet通信 (vol.3 #22)  
ニカラグアがHIPCsの完了点に
2004年3月13日

2004年1月23日、IMFと世銀のIDAは、中米のニカラグアが拡大HIPCsイニシアティブによる完了点に達した、と発表した。ニカラグアは10番目の完了点に達した国になった。これまでにベニン、ボリビア、ブルキナファッソ、ガイアナ、モーリタニア、マリ、モザンビーク、タンザニア、ウガンダが完了点に達している。

すでに、決定点に達した国の数は27カ国である。これらはHIPCs国の3分の2に当たる。削減された債務は約500億ドルに上る。それらは、ベニン、ボリビア、ブリキなファッソ、カメルーン、チャド、民主コンゴ、エチオピア、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、ガイアナ、ホンデュラス、マダガスカル、マラウイ、モーリタニア、マリ、モザンビーク、ニカラグア、ニジェール、ルワンダ、サオトーメプリンシペ、セネガル、シエラレオネ、タンザニア、ウガンダ、ザンビアである。 これによって、ニカラグアは総額約45億ドルの債務削減を受けたことになる。

今回の措置では、長期の無利子の融資を供与するIDAは、ニカラグアの実質3億8,200万ドルの債務を削減した。これは、ニカラグアが2001年から2023年にかけての債務返済するべき額の90%を削減したことになる。一方、IMFは、2002〜2009年に債務返済するべき分のうち、実質1億650万ドルの債務を削減した。IMFとIDA以外の多国間、2国間債権者たちも、拡大HIPCsイニシアティブにもとづいた削減を今後行うと見られる。

ニカラグアは、IMF・世銀によってマクロ経済の運営と構造調整の進行が良好であると評価された。そのことによって、ニカラグアは債務の73%の削減措置を受けたのであった。

ニカラグアは、ラテンアメリカの中でも最も貧しい国の1つに挙げられる。しかし、社会面での指標はゆっくりだが良くなっている。たとえば、貧困層は1993年に50.3%、絶対的貧困層は19.4%であったのが、2001年にはそれぞれ45.8%、15.1%となっている。1998年、ニカラグアはハリケーン・ミッチの被害を受けた。また2000年に貿易収支が悪化した。これが2001年の巨額の財政赤字を貿易赤字の理由であった。2002年以来、ニカラグア経済は回復の兆しを見せている。