DebtNet通信(vol.3 #21)  
ガイアナが完了点に
2004年3月13日

2003年12月19日、南米のガイアナがIMF・世銀の拡大HIPCsイニシアティブによる完了点に達し、今回、2億5,600万ドルの削減措置を受けた。これでガイアナ名は債務の総額3億3,450万ドルの債務削減を受けたことになり、IMFによれば、これでガイアナは54%の債務削減を受けたことになる。

しかし、ガイアナ政府は5億ドルの債務を抱えており、これからもなお債務返済に予算の12%を充当しなければならない。

ガイアナでは、人口の35%が貧困層である。5億ドルの債務は、GDPの70%に当たる。ガイアナの2002年のGDPは僅か7億1,000万ドルであった。ガイアナはいまだに1980年代の債務危機から脱出していない。1980年代の貧困率は65%であった。1990年代には目覚しい成長を記録したが、2000年代に入ると、それは鈍化した。2002年の成長率は0.2%であった。ガイアナ経済は、エルニーニョ、一次産品の価格の下落、政治的不安定などの外的なショックに左右されやすい。

ガイアナはその主要な輸出品である砂糖価格の下落に悩んできた。1997年から2002年の間、砂糖の国際市場価格は39.2%も下落した。その上、先進諸国は砂糖生産に巨額の輸出補助金を支出して、安い砂糖を国際市場にダンピングした。

一方、同じ先進諸国は、IMFの権力を使って、ガイアナの砂糖輸出に対する補助金を撤廃するよう、また砂糖産業の自由化の圧力をかけてきた。