DebtNet通信(vol.3 #17)  
イラクのフセイン債務についてイラク・ジュビリーの声明
2003年5月24日

 ロンドンにあるイラク・ジュビリーから、以下の声明が送られてきた。

Web Site は www.jubileeiraq.org
メールアドレスは justin@jubileeiraq.org

親愛なるジュビリー・キャンペーンの皆様、
 最近数週間にわたって、イラクに新政権が誕生した場合、サダム政権時代の累積債務を返済すべきか否かについての議論が国際的に交わされている。これほどまでに「汚い債務(Odious Debt)」の原則が国際的な関心を集めたのはかってないことであった。
 イラクは「汚い債務」を帳消しにするのに最も良いテストケースであろう。イラクが明白なテストケースであることは、サダム政権が最もひどいものであるという世界的な認識が存在するからであり、同時にイラクの債務がイラン・イラク戦争時代以後、発生したものであるという事実からも言える。
 ジュビリー・イラクや多くの民主的イラクの個人は、武器商人、及びイラクの人びとを弾圧したサダム政権を支援した茂野たちに対する債務を認めないと宣言している。米政権の一部の人びともこの見解を支持している。しかし、多くの報道とは裏腹に、ブッシュ政権全体が、まだイラク債務の帳消しを支持しているという証拠はない。我々は、米政権が
この問題で明確な態度を取り、直ちに債務を帳消しするよう要求する。
 したがって、イラクをサダムの債務から解放せよというイラクジュビリーのキャンペーンを支持してほしい。さる4月5日にイラク・ジュビリーは結成され、多くの国に支持のネットワークが広がっている。
 この「不法な」あるいは「汚い」債務の帳消しはイラク人ばかりでなく、世界中の人びとにも恩恵をもたらすだろう。例えば、再建者たちは、もはやアパルトヘイトに対して行った融資を南アフリカ人に返済するよう請求できなくなる。同じことがアルゼンチンの軍事政権時代に累積された債務についても、インドネシアのスハルト債務やフィリピンのマルコス債務帳消しのために闘っている人びとのためにも言えることである。 
 「汚い債務」を返済しないことは、より多くの効果がある。なぜなら、世界の非正当性政府に打撃を与えることになる。ビルマの独裁政権やその他の独裁者を武器援助したり、融資したりしている者は、これら独裁者が打倒された時には、そのカネを回収できなくなることを知るだろう。抑圧政権に融資することは良いビジネスではなくなる。したがって、抑圧政権は金融上の生命線を失うし、ゆっくりとだが、確実に、民主的な社会にとって代わるだろう。
 貴方がたの組織がジュビリー・イラクを承認し、イラクの債務を仲裁する「汚い債務の法廷」のキャンペーンを支持することをお願いする。とくに、法的、経済的専門家が仲裁プロセスを設立するのに必要である。