DebtNet通信(vol.3 #15)  
「エビアン・サミットの議題」
2003年5月12日

エビアン・サミットの議題について続報

 次回のDebtNetの連絡会で議論されるG7諸国のジュビリーの共同声明に関してのドイツ・ジュビリーからの関連情報が入った。

5月16〜7日、フランスのドービルで開かれるG7蔵相会議が開かれるが、ここでは、4月に開かれたIMF・世銀の国際通貨金融委員会(IMFC)の決議に基づき、パリ・クラブに対して「非IDA対象国(重債務貧困国以外の国)の債務問題の解決」を要求する決議がなされることになった。
 これは、イラクの債務の解決という差し迫った問題があるとはいえ、債務問題についてエビアン・サミットで何らかの動きがあると予想できる。

● ドービルの蔵相会議では非IDA諸国の債務解決の新しい枠組みが決まるかも知れない。
● 新しい定義とは「非IDA一次産品輸出国」というものである。
● 非IDA一次産品輸出国は、パリ・クラブの枠組みの中で、大規模な債務救済を受ける
● パリ・クラブの枠組みを変えることについては何の動きはない。
● ヒューストン・サミットにおいて、IDA対象国に対して債務帳消しを認めたような動きは見られないだろうが、パリ・クラブの官僚たちは、すでにユーゴのケースで合法化したように、ケース・バイ・ケースで処理するだろう。
● 蔵相会議は、イラク債務解決として、すべてを公開しないだろう。ドイツは、とくにその点を気にしている。
● とくに、IMFのSDRMが流れた結果、さまざまな債権者の間の調整の問題が残っている。
● 当面債務問題解決の新しい枠組みが必要な国は、イラク、ナイジェリア、エクアドルである。
● 公的、私的債権者ともにパリ・クラブ以外の債権者については、SDRMがない以上、どうなるのか?