DebtNet通信(vol.3 #14)  
「ベネズエラで初のトービン税導入」
2003年5月5日

ベネズエラで世界初のトービン税導入か?

 カナダで最も早くからトービン税(通貨取引税CTT)の実現に向けて取り組んでいるHalifax InitiativeのRobin Roundさんから、喜ばしいニュースが届いた。
 「ベネズエラの経済開発省が、ウーゴ・シャベス大統領に対して、ベネズエラ流のトービン税を導入するための法案を提出した」というニュースである。
 このニュースの源は、フランスATTACのベルナール・カッセン代表(ルモンド・ディプロマチーク編集長)であった。ということは、国際ATTACのロビイの成果ということになる。
 ベネズエラのCTT法案は、以前にドイツのPaul Sphan博士が提唱していた、2段構造の通貨取引税である。第1は、外国貿易に関する通貨取引に、低い税率の税を課税する。
第2は、国際的な金融取引に動機づけられた通貨取引に対して、高い税率の税を課税する。
 これは、「トービン風の税」とも呼べるもので、ベネズエラの現行の資本管理制度とともに実施される。この点について、フランスATTACが、トービン税が導入されても現行の資本管理制度を残すよう強硬にロビイしてきた。つまり、これはベネズエラから資本が国外に逃避することを防ぐ管理制度である。
 法案は、ベネズエラ議会で、今後4ヵ月の間に採択されることになっている。
 ベルナール・カッセン代表によれば、ベネズエラの初のCTT導入したとしても、これが将来どのような運命をたどるのか?誰もCTTが、とくに、経済危機に直面している途上国において、1国だけで導入されるとは予想していなかった。しかし、ベネズエラはすでに、米国の後押しを受けた右翼のクーデタを壊滅し勇気のある国でありる。
 「シャベス大統領を支持し、幸運を祈ろう」と彼は言った。