DebtNet通信(vol.3 #12)  
「英企業がガイアナの債務帳消し」
2003年4月12日

英国のBigFoodGroupがガイアナ政府の債務帳消しを決定

 英国のアン・ペティファーさんのJubilee ResearchとChristian Aidなどドナーたちが昨年立ち上げたJubilee Debt Campaignが協力して、今年はじめから、英国の多国籍企業に対して、最貧国の債権の帳消しを要求するキャンペーンを始めており、すでにDebtNet通信Vol.3 No.6で報告したように、ネスレ―社がエチオピアの債権放棄を決定した。
 続いて、3月18日、BigFoodグループがガイアナに持っている債権の放棄を決定した。
Big Foodグループは、英国のスーパーのチェーンで、アイスランドの食品店を独占している。
 同社は、元英領のガイアナ政府がかって社会主義政権時代、1976年にBig Foodグループが同国内に投資した砂糖会社を国有化した。これに対して、同社が賠償金を要求してガイアナ政府を提訴した。この係争はすでに20年来に及んでいる。その時の砂糖会社の評価額は1,300万ポンド(Iポンドは訳200円)であった。国有化以来12年間に亘ってガイアナ政府はこの半分にあたる620万ポンドを返済した。その後、世界的な砂糖産の不況と債務危機の発生により、1989年以後、ガイアナ政府は同社に対する債務(賠償金)の返済をしていない。その結果、現在1,200万ポンドの債務として残っている。これは貧しいガイアナ政府の年間歳入の10%にのぼる。一方、英国のWorld Development Movementの調査では、Big Foodグループの昨年の総売上高では、たった0.5%にすぎない。
 現在でも、ガイアナ政府の対外債務は、国家予算の40%に達していた。もし、IMF・世銀の拡大HIPCイニシアティブが適用されれば、これが15〜20%に減少すると予想される。