DebtNet通信(vol.2 #7)  
「ナイジェリアの債務」
2002年4月24日
DebtNet通信Vol.2 No.7 「ナイジェリアの債務」
2002年4月24日                   

1) ナイジェリアは3年間で50億ドルを債務返済
 4月はじめ、ナイジェリアのオバサンジョ大統領は、過去3年間にナイジェリアの債務支払い額が50億ドルに上ったと発表した。
 「ナイジェリアの対外債務支払いは、年間15億ドル以上に上っている」と語った。大統領はまた、「債権者たちが要求している額は、年間35億ドルである」と付け加えた。
 オバサンジョ大統領が議長を勤めるアフリカ統一機構(OAU)は「アフリカ開発のための新しい経済パートナーシップ(NEPAD)」を発表した。オバサンジョは、「NEPADの前提条件は債務救済である」と語った。

 またナイジェリアは、「OPECの合意に基づき、原油生産を25%削減している。これも、政府の歳入が減った理由である」と語った。

1) スイス銀行がナイジェリアの「汚い資金」を返還
 スイスの銀行は、ナイジェリアのアバチャ前大統領が、国家から盗んだ資金で、スイスの銀行に預金したあった分をナイジェリアに返還することになった。
 
 これは、ナイジェリア現政権が、故アバチャ将軍の家族、アバチャの政商を相手どって、スイス政府に提訴していたものである。スイス連邦法廷は、示談でもって、解決案を裁定した。今回、ナイジェリアに返還される額は、5億3,500万ドルに上る。
 このスイスの裁定によって、10億ドルが、世界中の銀行からナイジェリアに“汚い資金”が返還されるだろう。この預金は、現在凍結状態にある。
 これには、アバチャの遺族の法的責任は免除されるという、交換条件が付いている。遺族は、“汚い資金”の中から、1億ドルを確保することが許される。

 アバチャ将軍とは、1998年に心臓発作で死亡した。5年間の在任中に石油代金などから盗んだ“汚い資金”は30億ドルにのぼると言われている。