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DebtNet通信(vol.2 #46) |
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「ナイジェリアの債務とエイズ対策のスワップ提案」 |
2002年9月16日 |
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8月18〜23日、元英国Jubilee PlusにいたKwesiOwusu(現在はSouthern Links)と米国のGlobal Aids AllianceのPaul Zeitzがナイジェリアを訪問した。 これはナイジェリアが対外債務の返済を止め、あおの資金を国内のエイズ対策ひ資金に充てるという決定のフォローアップであった。ナイジェリアの受入先は、Ibrahim Atta博士(Civil Society Consultative Group on HIV/AIDS in Nigeria−CiSCGHAN代表であった。ナイジェリアの大統領顧問をはじめ多くの要人に面会した。 会談の内容は以下の2点に集中した。
1) ナイジェリアはアフリカ最大の債務国である。DMOによれば、債務総額は286億ドルである。これは、GNPの80%、輸出比では186%に上る。 パリ・クラブに対して、221億ドル ロンドン・クラブに対して、20億ドル 多国間債権者に対して、27億ドル 非パリ・クラブ債権国に対して、1億2,100万ドル 約束手形保有者に対して、12億ドル 2001年、ナイジェリアは21億ドルを返済した。これは医療予算の10倍であった。 2) 1996年、IMF・世銀は、ナイジェリアを重債務貧困国と規定した。しかし その後、理由なく、HIPCsリストから外された。ナイジェリアは、これまでIMF・世銀から救済を受けた国よりもGNP1人当りの額は低く、債務のGDP比は高い。 3) ナイジェリアのGDP1人当りは853ドルである。 4) ナイジェリアの出産時の妊婦死亡率は10万人に700人という世界でも最高である。 胎児死亡率は10%である。 5) ナイジェリアの人間開発指数は174カ国中、151位である。しかし債権者は、債 務返済を求めている。ナイジェリアが「ミレニアム開発ゴール」を達成するためには、毎年、110億ドルを社会サービスに支出しなければならない。 6) ナイジェリアは石油収入があるが、これは大人口を養うには足りない。石油の生産コ ストと外国石油会社への支払いを除いた純収入は110億ドルである。これは年間国民1人当り100ドル、1日当り27セントである。 7)シェル、モービル、テキサコ、シェブロンなどは、ナイジェリアに巨額の環境債務を負っている。油田のあるニジェール川デルタ地帯は環境破壊がひどい。1980年1月、20万バレルの原油がテキサコの油田から大西洋岸に流出し、340ヘクタールのマングローブを破壊した。 ナイジェリアでは、75%のガスが燃やされている。これは、CO2の排出である。 8)ナイジェリアは、今日なおもアバチャ前独裁政権から1,400万ドルの汚い債務を 引き継いでいる。アバチャ将軍は、40億ドルを盗み、ロンドン、ニューヨーク、フランクフルト、チューリッヒの銀行に預金している。 9)1993年、ナイジェリアのHIV?AIDSの感染率は1.8%、96年には3.8%、99年には5.4%であったが、2001年には5.8%を記録した。これは、爆発的に増える前兆である。 10)ナイジェリア政府は「HIV/AIDS緊急行動計画(HEAP)」を立て、3年間に1億9,000万ドルの支出を決定した。これは2国間ドナー、世銀のIDAから拠出されることになっている。しかしこれは感染者総数のごく1部にしか行き渡らないだろう。 |
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