DebtNet通信(vol.2 #30)  
「米議会のHIPCs調査報告書」
2002年8月22日
米国議会監査院(GAO)のHIPCs調査報告書

 米議会の監査院(GAO)は、暫定拡大HIPCsイニシアティブによる債務救済を受けたHIPCs10カ国の「債務の持続可能性」について調査報告書を発表した。
(GAO報告書はwww.gao.gov/new.items/d02698t.pdf

GAOの分析
 IMF、世銀のHIPCsイニシアティブによる債務削減交渉を受けた国のなかで10カ国を対象に、長期の「債務持続可能性」について、調査した。その結果、例えば、世銀の輸出成長予測は楽観的すぎることが判明した。世銀はHIPCsが一次産品の輸出に依存している事実や、HIV/エイズの蔓延問題を見過ごしている。「歴史的な輸出成長モデル」を援用すると、10カ国のうち、これから20年間持続可能な債務レベルを維持することが出来るのは2カ国にすぎない。 

GAOの対案
1) HIPCsのすべての多国間債務を帳消しにすること
2) 多国間融資の50%をグラント(贈与)にすること(この場合、IMFのPRGFローンを除くこと)

GAOの結論
 GAOは第2の選択肢のほうが、債務の持続可能性を促進するという結論である。これによれば10カ国のうち、4カ国がこれから20年間持続可能な債務を維持できる。