DebtNet通信(vol.2 #2)  
「米ジュビリーのニュースレター」
2002年2月8日

米国ジュビリーのニュースレターの紹介

 2002年2月現在、米ジュビリーのキャンペーンは;
@ 340億ドルにのぼる最貧国の債務を帳消しにした。
A 米国議会は、7億ドルを債務削減に拠出した。
B これまでの債務削減によって、
―ウガンダでは、就学率が2倍になった。
―モザンビークでは、50万人の子どもに予防注射を実施した。
―ホンデュラスでは、子どもの義務教育を3年延長することができた。

しかし、これでは、十分とは言えない。なぜなら、
@ 債務削減は年間返済額の3分の1に留まっている。
A 債務国は、IMF・世銀の構造調整政策を実施しなければならない。
したがって、米国ジュビリーは、以下の2項目をロビイする。

@ 議会で債務帳消しを審議するよう、議員にロビイ活動
 米国議会では、2002年の予算審議が始まる。米国ジュビリー・ネットワークは、IMF・世銀の債務帳消しと構造調整政策の中止を盛り込んだ「債務法案」を準備している。それは、世銀が、米国議会に対して、3年に1度の、第13次IDAへの拠出金を要請する年度に当たっており、米議会に拠出金を採択するよう要請しているからである。われわれは、世銀に対して100%債務帳消を実施せよという「法案」を議会が採択するよう要求する最も良いチャンスだと考える。また、「法案」には、医療や教育と受益者負担とする、水の民営化を強制する、最低賃金や労働基準を引き下げる、などといった世銀の構造調整政策を止めさせる内容を盛り込む。 

A エイズとの闘いで債務を増やさせない
 アフリカでは年間2、500万人がエイズで死んでいる。この数は、第2次世界大戦でのヨーロッパの犠牲者の数に等しい。世界中で、毎日、8,000人がエイズで死んでいる。2010年にはエイズ孤児が4,400万人にのぼると予想される。これは国の開発に大きな影響を与える。
 世銀は、HIV/AIDSとの闘いに5億ドルの融資を行うと発表した。この融資には、構造調整融資と同様な多くの条件が付いている。そして、構造調整政策こそがHIV/AIDSの蔓延をもたらし、返済不可能な債務がエイズ死を増やしたことを忘れてはならない。

B Working Assets Long Distanceの寄付金
 1985年に米国の長距離電話会社が、長距離電話の利用者に請求書を送る時に、あらかじめ利用者が登録すれば、請求書の何%かの資金が、利用者が最も多く指定した団体に寄付される「Working Assets Long Distance」という制度がある。2002年2月の寄付金がJubilee USA Networkに送られることになった。これは、10万人の長距離電話の利用者が指名したことになる。
米国のJubilee USA Networkのホームページアドレスhttp://www.jubileeusa.org