DebtNet通信(vol.2 #16)  
「ガーナがHIPCイニシアティブで決定点に」
「カナダ・サミットでNEPADを議題に」
2002年5月18日

1)ガーナが、拡大HIPCsイニシアティブによる「決定点(DP)」

ガーナはDPに達し、IMF・世銀の拡大HIPCsイニシアティブによる、2億ドルの債務返済の削減措置を受けた。しかし、これには、「水の民営化」という高い代償をしはらった。
EURODADは、ガーナの水道の民営化についての「Going the extra mile」という報告書を発表した。世銀は、ガーナが、「完了点(CP)」に達した時は、債務を80億ドル削減するという。しかし、更なる民営化をしなければならない。

註;ガーナの水の民営化に関しては、元英国ジュビリーのKwesi Owusu(ガーナ人)の長い論文(英文)があります。ご入用の方は北沢まで。

2)カルガリG8サミットでカナダ首相がアフリカのNEPADを主要議題に

 6月のG8サミットの議長国であるカナダのクレティエン首相は、アフリカの開発問題を主要議題にする。そのため、アフリカの首脳とともに、アフリカの将来計画を議論する。しかし、これにはアフリカの市民社会という決定的なアクターが抜けている。
 今年はじめ、アフリカの首脳会議で、セネガルのイニシアティブにより「New Partnership for Africa’s Development(NEPAD)」が採択された。これは市民社会の参画なしに行われた。これを熱烈に支持、促進しているのがカナダのクレティエン首相である。彼はしゃにむに、これをカルガリ・サミットの議題にして、G8の同意を取りつけようとしている。
 5月はじめ、モントリオールで、カナダ政府がアフリカの専門家を集めてNEPADについてのフィードバックを協議した。この時、アフリカから、G8サミットの議題にする前に、アフリカにおいて、専門家や市民社会との議論の時間が必要だという意見が主流を占めた。例えば、主要な医薬品、平和と安全保障、貿易、投資、食糧安保、民主主義、グッド・ガバナンスなどへの人びとのアクセスは、アフリカの社会、経済開発にとって、鍵となる問題であるが、NEPADの中見を知っているアフリカ人は、最近まで少なかった。
 NEPADの中身が明らかになるに従い、多くの人が、古い、失敗した戦略の寄せ集めだとして、不満を感じている。