DebtNet通信(vol.2 #12)  
「カナダ・サミット蔵相会議」
2002年5月18日
1) 債務帳消しについてのG7サミットの議長国カナダ政府の政策

 6月14〜15日、オタワでG7蔵相会議が開かれる。これはカルガリG7サミット決議文の元となるG7蔵相報告書を作成する会議として、重要である。
 議長を務めるカナダのマーチン蔵相は、5月13日、これまでの重債務貧困国の債務救済が、遅れ、不充分であることに痺れを切らして、HIPCsイニシアティブのレビューを呼びかけた。彼は、「もし十分な支持が得られれば、G7蔵相会議で、構造調整プログラムの条件を廃することを提案したい」と述べた。
 しかし、カナダと英国を除いて、これに賛成するG7蔵相はいないのが現状である。

 モントリオールの「社会正義委員会(Social Justice Committee)」は、G7各国の蔵相に対して、「HIPCsイニシアティブから構造調整プログラムを外すことを要求する」よう呼びかけている。
 ロビイングは明確であるべきで、以下の点について明確に述べること。

● 1996年以来、HIPCsイニシアティブによる債務救済を受けたには、5カ国に留まっている。
● 「決定点」での暫定救済措置は、公約した額の10%に留まっている。
● 「完了点」での債務救済も不充分である。しかも最近の経済ショックにより債務状況は悪化している。
● サハラ以南アフリカと中米は、打ち続く旱魃と食糧生産の不作に会っている。南部アフリカでは何百万人もが飢餓に晒されている。
● 世銀は100%帳消しを拒否しつづけている。世銀に対するt債務返済の3分の1は、IBRDからの融資の利子支払い分である。