DebtNet通信 (vol.1 #42)  
アフリカのエイズ関連のニュース
2001年8月29日


エイズ関連のニュース

1) ナイジェリア政府のエイズ対策プログラム
9月1日から、ナイジェリア政府のエイズ・プログラムが始まる。これによって、15,000人のエイズ患者が、1日当たり1ドル以下の費用で、混合治療薬を手にすることが出来る。

ナイジェリア政府は、インドの製薬会社Cipla社と交渉して、同社が製造する安いコピイ薬を1人当たり1年分を350ドルで購入することになった。ナイジェリア政府は、これに対して85%の補助金を支出する。したがって、患者の払うのはその残りの差額、つまり、1ヶ月当たり、8ドルの支出で済む。

ナイジェリアの人口は1億2,000万人であり、アフリカ大陸で最大の人口を抱える。
このプログラムは、今年7月、国連のエイズ問題のアフリカ担当官Stephen Lewisがナイジェリアを訪れ、作成された。このプログラムでは、10,000人の成人、5,000人の子どものエイズ患者が対象になる。来年からこの対象者の数は増加する。

プログラムでは、対象者の60%は2個の錠剤を1日3回、40%は1日2回飲む。これをモニターするのは、首都アブジャとナイジェリア最大の都市ラゴスのラボである。ラボの費用は米国のフォード財団が出す。

今年4月、アフリカのエイズ・サミットがナイジェリアで開かれ、オバザンジョ大統領がサミット議長を勤めた。しかもナイジェリアには、260万人のエイズ患者がいる。オバサンジョ大統領は、イニシアティブを発揮するよう迫られたのであった。

2) エイズ患者組織が南アフリカ政府を告訴
8月20日、南アフリカのエイズ患者の組織である「South Africa Treatment Action Campaignは、南アフリカ政府を法廷に告訴した。それは、政府が、HIV感染の妊婦が出産の時に、子どもに感染するのを防止する薬Nevirapineの供給を怠ったというものであった。

南アフリカはHIV感染者の数は、10人に1人の感染率であり、468万人にのぼり、世界1である。毎日、数百人の新生児が母子感染によりHIVに感染している。妊婦の中の感染率は24.5%にのぼっている。

Nevirapineは非常に安い薬であって、政府の財政負担にはならない。にもかかわらず、政府は公立病院での薬の使用を認めなかった。

Treatment Campaignの訴訟には、250の保健所、病院が加わっている。政府は9月12日までに回答をせまられており、Treatment Campaignは8月27日に抗議デモを行った。